無期雇用派遣のデメリットやメリット。正社員との違いについて

2015年の労働者派遣法により「無期雇用派遣」という新しい派遣の働き方が誕生しました。

人材派遣会社に登録した時に「無期雇用派遣はどうですか?」と声をかけられた事がある人もいるのではないでしょうか?

無期雇用派遣について

・派遣会社と期間を定めない雇用契約
・時給制ではなく「月給制」
・未経験者でも就業可能な派遣会社も多い
・派遣先で働いていない期間もお給料が支払われる
・交通費が支給される
・土日休みの募集が多い

パッと見る限り、「何となく安定していそう」「私でも簡単に働けそう」など、すごく良さそうに思えますが、安易に無期雇用派遣に決めてしまうのは注意が必要です。

ここでは、無期雇用派遣のデメリットには何があるのか?メリットも合わせてご紹介し、登録型派遣や正社員との具体的な違いについて詳しく解説します。

無期雇用派遣とは?

派遣社員には通常、契約期間が定められており、契約期間が終了すると同時に、派遣会社との雇用関係も解消されます。

ですが、無期雇用派遣は、名前からある程度推測できるかもしれませんが「無期限で派遣会社と雇用契約を結ぶ働き方」を意味しており、「派遣会社の社員(月給制)」として採用され、企業に派遣されるスタイルの働き方になります。

一般的な登録型派遣の場合は、一つの派遣先との契約期間が終了し、次の派遣先が決定するまでにブランク期間が空くこともあります。

ですが、無期雇用派遣の場合は、その間も派遣会社との雇用関係が継続しているので給与(月給制)が支払われる事がポイントです。

無期雇用と名前がつく派遣ですが、フルタイムで働く正社員に極めて近い働き方が、この雇用形態の大きな特徴になります。

ちなみに、全ての人材派遣会社が無期雇用派遣を行っている訳ではありません。

具体的にはどのような募集になっているのか?アデコの「キャリアシード」についてご紹介させていただきます。

アデコが運営するキャリアシードについて

adeko
アデコが運営する「キャリアシード(無期雇用派遣)」は、アデコと無期契約を結び、アデコが厳選した派遣先企業に就業してもらう雇用形態です。

募集職種は事務職のみで、応募資格は実務経験者と限定されています。

給与体系は月給制になり、「基本給+地域手当+業績手当」を合算した金額が毎月の給料になります。

地域限定でスタッフを採用しており、首都圏(一都三県)と関西(二府四県)で募集されています。

応募資格 勤務地 勤務時間 給与
高卒以上
※オフィスワーク経験ある方
首都圏(一都三県)
関西(二府四県)
9時~18時 月給17万3000円以上
ボーナス
業績手当
残業手当
※地域により異なる
休日 募集職種 賞与 交通費
完全週休二日制(土日祝日)夏季休暇・年末年始 一般事務
OA事務
営業事務
経理事務
年2回 支給

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無期雇用派遣を実施している派遣会社一覧

総合人材サービスのパーソルグループのテンプスタッフが、2017年4月3日(月)より、無期雇用型派遣「ファンタブル」をサービス開始したことにより、大手派遣会社が軒並み参入していることが窺えます。

人材不足の昨今では、事務職の正社員採用は非常に狭き門。

ですが、年々「事務職に就きたい」という事務希望者は年々増加傾向にあり、「未経験から事務職で働きたい就職希望者」を応援するために無期雇用派遣という働き方は広がっているのです。

無期雇用派遣会社ランキング【おすすめ大手5社】未経験から始める事務職

2017.12.21

無期雇用派遣のデメリットは?

無期雇用派遣のデメリット

  • 高いスキルを要する職種・派遣先でも、あくまで給与は固定給
  • 社員のため、長期の休みは取りにくい
  • 登録時に派遣される企業が決まっている訳ではないので「思っていたところと違った」という可能性がある
  • 派遣会社の社員ではあるけど、結局、派遣先では「派遣社員」扱い
  • 昇給制度はあるが、最初からは給与交渉しにくい
  • 「未経験OK」とはいえ、誰でも採用される訳ではない

無期雇用派遣は「派遣会社の社員」として雇用されることになります。

「未経験からでも働けます」という派遣会社が多いとはいっても、無期限での雇用になるので、採用ハードルはそれなりに高いことが容易に想像できます。

また、登録型派遣の場合は、大変な仕事や高いスキルを求められる職種であれば、その分、高い時給が期待できますが、無期雇用派遣の場合は、月給制で毎月安定したお給料は貰える代わりに、どこの企業に派遣されても給与(月給)は同じというデメリットがあります。

また、派遣先を決める時も、厳選した企業を紹介してくれるとはいえ、基本的には派遣会社の指示に従わなくてはならないので、「あまり自分がやりたくない仕事」や「大手企業だと思っていたら人気のない企業に派遣された」など、可能性もあります。

派遣会社内では「正社員」ですが、実際に外の企業に勤めるようになれば、結局は「派遣」として見られてしまう側面があるのです。

採用する企業からすれば、自社で採用している正社員以外は、登録型派遣も無期雇用派遣も全部「派遣さん」なのです。

無期雇用派遣と登録型派遣の比較

無期雇用派遣と登録型派遣の違い・比較

無期雇用派遣 登録型派遣
給与体制 固定給+賞与 時給(派遣先により異なる)
交通費
契約期間 定め無し(無期限) 有期
採用ハードル 高い 普通
自由度 低い 高い

登録型派遣では、一つの派遣先との契約が終了すると、例えば1カ月位あえてリフレッシュ期間を設けて旅行に行く等、定期的にストレス解消ができます。

ですが、無期雇用派遣の場合は、夏季休暇や年末年始などの休暇長期休暇はあれど、平日はフルタイムで働いているので、休みが取れても土日祝日の金額の高い時期やシーズンにしか行けないなど、自由度は登録型派遣に比べると非常に低いです。

 

そもそも、派遣登録される方は、働き方に自由度を求めている人が多いですが、無期雇用派遣では、通常の登録型派遣に比べて、派遣労働の魅力やメリットがなくなってしまうのです。

 

また、無期雇用派遣は派遣会社の選考を通過すれば内定が貰えて、採用が決定しますが、実際に派遣先で勤務し始めると、社員という立ち位置ではなく、あくまで「派遣さん」という扱いになるので、社内では疎外感を感じる事もあります。

つまり、無期雇用派遣にも登録型派遣にも、それぞれ良い面やあまり好ましくない面があるので、この機会にしっかりと違いやメリット・デメリットを把握し、「あなたにとって最適な働き方はなにか?」というのを向き合ってみることが大切です。

無期雇用派遣のメリットは?

ただ、無期雇用派遣はデメリットばかりではありません。

もちろんメリットもいくつかあり

無期雇用派遣のメリット

  • 採用された時点で派遣会社と期間を定めない雇用契約を得られる
  • 時給ではなく「月給制」なので、毎月の給料が固定されるので安定的
  • 派遣先との契約期間が終了しても、そこで給料が途切れたりしない
  • 未経験でも特に問題なく面接に進める募集が多い
  • 無期雇用派遣の扱いがある多くの派遣会社は「未経験からの事務求人」に強い
  • 交通費、賞与(ボーナス)が支払われる

登録型派遣の場合、一つの契約が終了すると次の派遣先が決まるまで収入が途絶えてしまったり、年末年始や連休のある月だと、勤務日数が自然と減れば、月の給与も少なくなってしまいます。

ですが、無期雇用派遣であれば、時給ではなく月給制になるので、毎月のお給料が把握しやすく、経済的にも安定します。

派遣会社の社員なので、派遣先との契約期間が終了しても、次の派遣先を心配する必要もありません。

もしも、期間が空いてしまう場合は、派遣会社内に勤めることになるので、その間も給与が支払われるなど、登録型派遣にはないメリットがあるのです。

また、正社員と同じように交通費や賞与も支給されるので、働く側とすれば、モチベーションアップにも繋がります。


ここまで読まれた方は「無期雇用派遣もそんなに悪くない」と思われるかもしれませんが、少し考えてみて下さい。

「正社員と同じような待遇が得られます」

「未経験からでも事務スキルを身につけながら就業することができます」

というなら、派遣会社の正社員ではなく、一般企業の正社員を目指した方が良い場合もあるんじゃないでしょうか?

ですが、全くの未経験から事務職を目指す人にとっては、無期雇用派遣という雇用形態は斬新で、パソコンの使い方や事務機器の使い方まで派遣会社で研修を受けられたり、派遣を受け入れる企業も、ある程度はその人の能力を理解してもらいながら働くことができるので、未経験から働く人にとっては有難いシステムになります。

しかし、通常の正社員を目指したいのであれば、直接雇用まで最大6か月と期間が定められてる「紹介予定派遣」の方が効率的です。

この辺をちゃんと理解して働き方を検討する必要があるのです。

無期雇用派遣と正社員はどこがどう違うのか?違いを解説

無期雇用派遣は一般企業の正社員とほとんど変わらないんじゃないか?と感じる方も多いと思いますが、実際は大きく異なります。

無期雇用派遣と正社員の違い・比較

無期雇用派遣 正社員
給与体制 固定給+賞与 固定給+賞与
(賞与なしの場合もあり)
交通費
契約期間 定め無し(無期限) 定め無し(無期限)
退職金 〇~△
昇給 △~〇

無期雇用派遣は簡単に言うと、人材派遣会社と直接契約を結ぶ「派遣会社の社員」になります。

派遣元である派遣会社の社員として、一般企業に派遣されるのが、主な働き方になります。

では、正社員は?というと、働く企業と直接契約を結ぶ「企業の社員」になります。

 

処遇・待遇についてはどうでしょうか?

正社員と無期雇用派遣の処遇・待遇の違いに焦点を当てると、住宅手当の支給されない、退職金がない、昇給が少ないケースが多いなど、通常の一般企業の正社員に歩がある場合が多いのも否めません。

ただ、大手の派遣会社と一般企業を比べると、一般企業にはブラック企業と呼ばれる会社も沢山あり、待遇が無茶苦茶なところも多いので、すべての会社に通じる事ではありませんが、色々な点で一般企業で働く正社員の方が有利になるケースも多いのです。

 

また、働き方に関して違いを比較してみても、無期雇用派遣は派遣先企業で仕事をしますが、一般企業の正社員は自社オフィスで仕事をすることになる点で見ても、双方に違いがあるのがお分かりいただけると思います

無期雇用派遣は、派遣会社の指示で決められた企業に行く必要があり、勤務先も定期的に変更になるので、月給制でボーナスも出るけど、その分、人材派遣というくくりの中では、圧倒的に自由度の低い働き方である事を感じざるを得ません。

無期雇用派遣か?紹介予定派遣か?を比較・検討しよう

派遣には、正社員には無いメリットが沢山ありますが、無期雇用派遣を検討される場合は、まずは紹介予定派遣と比較してからにすることをおすすめします。

無期雇用派遣は派遣会社の社員になりますが、基本的には企業に派遣されるスタイルになるので、派遣先との契約期間が終了すれば、新しい派遣先に移らなくてはならない(勤務先が変わる)場合があります。

また、受け入れる企業サイドからすれば、無期雇用派遣で派遣会社の社員であっても、あくまで「派遣さん」という位置づけは変わらないので、正社員と派遣社員という壁ができてしまう場合もあります。

また、派遣先を変わるまでは上司や同僚に恵まれていても、派遣先が変わった途端に、嫌な上司ばかりの会社になってしまうという人間関係のリスクもあるので、メリットだけでなく、デメリットについてもちゃんと把握して考えるべきでしょう。

1からの未経験者でも長期的に就業しやすいメリットはありますが、無期雇用派遣を考えているなら、紹介予定派遣制度を活用して正社員を目指すことも同時に検討するべきです。

紹介予定派遣の場合は、書類選考や面接等、無期雇用派遣よりも採用ハードルは高くなりますが、そこで頑張って正社員になれれば、長期的な目線で考えた場合に、メリットも大きいので、無期雇用派遣を検討されているなら、まずは紹介予定派遣と併せて検討してみて下さい。