派遣で働く20代女性の将来不安とキャリアの作り方

総務省統計局の調査(2017年7月分)」によると、派遣社員を含む非正規雇用の労働者は『2068万人』おり、その数は直近5ヶ月を見ると、連続して増加傾向にあります。

派遣を含む非正規雇用者は以前と比べれば偏見は少なくなりましたが、実際に働く人からは、将来への不安の声が聞こえてくる事も確かです。

この記事は、20代の派遣女性にターゲットを絞り、派遣で働く上での将来への悩みや不安、気をつけておきたいことを紹介します。

正社員から派遣社員へ転職した私の経験談も交えながら、20代の派遣女性のキャリア形成について考えます。

派遣で働く20代女性の将来不安・悩み

 icon-check-circle 将来のための貯金が中々できない

お金の問題は一番シビアです。

派遣社員は時給だけ見ると、正社員並みの給料を貰える様にも見えます。

ですが、交通費やボーナスの支給がないので、時給1000円ちょっとくらいだと、トータルではそこまで手取り額は多くありません。

正社員と比較すると、昇給の可能性が低いので、派遣会社と時給交渉が決まっても、時給額が数十円程度上がるだけです。

正社員の様に「ボーナスをまとめて貯金する」という事ができないので、毎月カツカツの生活をしている一部いるのが現実です。

将来の為にお金を貯めていけるかどうかは大きな悩みです。

 

  40代、50代。将来を考えると今のままでいいのか不安

「派遣35歳定年説」を耳にした事のある人もいると思います。

これは、『派遣社員は35歳を越えると一気に就業先がなくなる』というものです。

40代、50代になると派遣会社に登録ができないという訳ではありませんが、受け入れてくれる派遣先が少なくなるのは事実です。

また、今は20代で不自由なく働けていると思いますが、40代・50代になった時に今と同じ様に企業があなたを採用し、働かせてもらえる保証はどこにもありません。

正社員なら体力的な不安はあるものの、クビを切られるということは、よっぽどのことが無い限りありません。

しかし、人材派遣で働く人は、高齢になるにつれ経験値は上がるものの、今以上の条件で自分が働けてる保証がないので、将来を考えると「派遣やってて良いのかな?」と不安に思うのです。

 

  派遣のままで結婚できるのか不安

派遣社員は「非正規雇用」という名称の影響もあってか、社会的信用が低く、あまり良いイメージを持ってもらえません。

派遣で働く女性は、節目となる30歳が近づくにつれて「私って結婚できるのかな…?」と不安に思う女性が多いです。

結婚さえできれば、旦那の扶養に入る事もできますし、寿退社して専業主婦も良いかなと思っている人もいるでしょうが、今のままで婚活が成功するのか?派遣ということに少し不安を抱えている人もいるのです。

 

  退職金がなく老後に対して漠然とした不安がある

人材派遣は、基本的には交通費の支給やボーナスはありませんが、退職金もありません。

男性で80歳前後、女性で85歳前後くらいは生きるというデータが出ていますが、長生きするほどリスクが高いです。

だってその分支出が増えますし、年金もあてにならない金額しかもらえません。

それに、20代のあなたが年金を受給開始できるのは「70歳から」「75歳から」というように、今後は受給開始年齢が引き上げられる可能性が高いので、働けなくなるまでに豊かな老後が過ごせるくらいの資産をつくっておくことが重要になります。

将来的に結婚して、一生離婚しない確約があれば、夫の退職金や年金と合わせて老後を迎えられるので負担も少なくなりますが、一生独身として生きていく可能性があるなら、派遣だと老後の生活がまともに送れるとは言いにくいのは明らかです。

大手上場企業の正社員から派遣社員に転職した過去

実は筆者自身、ブラックな大手上場企業を辞めて、派遣に転職した経験があります。

私が大学を卒業して就職活動をしていた時期は、あまり景気が良くなく、いわゆる「就職氷河期」と言われるタイミングでしたが、その中で何とか大手企業の内定を勝ち取りました。

ですが、仕事は激務で毎日朝から晩までヘトヘト。。

上司にも恵まれず、人間関係も最悪で、4年頑張りましたが、体調を崩してしまい退職しました。

上場企業を辞めて派遣の仕事を選んだ理由

他社と比較すると、恵まれている様に思えた大手上場企業での仕事。

ですが、私がその環境を捨てて人材派遣を選んだのには大きく分けると3つの理由があります。

 煩わしい人間関係から解放されたかった

大手の正社員として働いていた時の1番のストレスは「人間関係」からくる要因が1番多かったと思います。

  • 拘束される時間が異様に長い
  • 責任ある仕事を任され、上司や同僚と密にコミュニケーションを取らなくてはいけないので苦痛
  • 歓迎会や忘年会などの飲み会が頻繁にあり、なかなか家に帰れない

面倒な社内の人間関係や、そのストレスから解放されたいという気持ちが、大手上場企業の正社員からホワイトな働き方ができる派遣社員に転職しようと考えた理由の一つです。

 

 残業代が普通に支払ってもらえる、働きやすい環境に身を移したかった

正社員として勤務していた大手ブラック企業では、上司からの無言の圧力で残業をきちんと申告できず、残業代はほとんど申請することはできませんでした。

部下の残業時間を減らす事が上司の評価に繋がっていたので、○○時間以上は申告するななど、ほんと無茶苦茶でした。

最近だと、月に100時間以上の時間外労働で自殺者が出るなど、労働問題が明るみになりつつあるので、どの企業も長時間労働に目を光らせています。

企業イメージが落ちれば、株価にも影響してくるので、以前よりはできるだけ社員を早く帰らそうとする感じがどこの企業でも見て取れる感じがしますが、まだまだ不満を抱えている人は多いと思います。

しかし、派遣社員に限ってはほとんど残業を強いられません。あっても月に10時間から20時間程度です。

定時上がりができるのは派遣の魅力だと思います。

 

 正社員の時は「耐える」しか選択肢がなかったが、派遣なら選ぶことができる

正社員の頃は、希望しない部署に配属されても、相性が良くない上司の下で働く事になっても「我慢」をするしかありませんでした。

しかし、派遣であれば「派遣先が合わない」と感じれば、契約更新のタイミングで断れば良いだけ。

辞めても、他の派遣先を探すことも難しくはありません。

ストレスを感じないで済む環境を選べると思ったのが、正社員の仕事に転職せず、派遣を選んだ理由です。

 

私自身、正社員から派遣社員に転職して良かったと実感する事ばかりです。

ブラック企業体質に馴染めないなら派遣で働くことも検討するべきです。

派遣社員は基本的には支持された仕事を淡々とこなして、定時がくれば「お先に失礼します」と言って周りの事を気にせずにさっさと退社できるのでとにかく気楽です。

周りの人とのコミュニケーションも最低限で済みますし、有難いことに飲み会には声をかけてもらえますが、一度も参加した事はありません。

残業代も聞いていた通りにきちんと支払われます。

派遣社員は残業時間自体が少ないですが、それでも繁忙期には多少の残業が発生します。

その残業代がきちんと支払われる事は当たり前のことかもしれませんが、ブラック企業にいた私にとってはかなり有り難かったです。

職場に関しても、派遣会社の担当者が私のスキル・経験、そして細かい希望を考慮して派遣先を紹介してくれました。

なので「合わない」とストレスを感じる様な職場に派遣される事自体がなかったのですが「いつでも職場を変えられる」と思える事は、精神衛生上良かったです。

女性が働きやすく、将来に渡って仕事に困らない派遣の仕事は?

20代女性が働きやすく、かつ転職を考えた時も困らない仕事は『事務職』です。その理由は3つあります。

 未経験から働きやすく求人の募集も多い

事務職の求人は未経験からでも応募できる割合が高いのが特徴です。

20代で就業経験がなくても、派遣先を見つける事ができます。

 

 基本的な事務スキル、ビジネスマナーが身につく

事務職で必要とされるパソコンスキルや書類整理、電話対応などは社会人として基本となるビジネススキルです。

事務職として経験を積んでおけば、他の仕事にステップアップする事も難しくありません。

特に大手企業で経験を積めると更にポイントが高いです。

 

 年齢を重ねても就業しやすい

例えば、アパレル販売や企業受付の仕事は、年齢を重ねると採用される可能性が低くなってしまいます。

こういう事情は、公表されていませんが、基本的に企業は販売や受付、秘書などは「若くて綺麗な人を採用したい」という思惑があるので、歳を取るほど採用される可能性は低くなります。

しかし事務職の場合は、募集も多いですし、年齢を重ねてもその分スキルや経験を評価してもらえるので、比較的就業しやすい仕事になります。

人材派遣に限らず、正社員への転職を考えた時も、女性の場合は事務職が最も有利です。

派遣で働く女性のキャリアの作り方を考える

派遣社員が1つの組織で継続して勤務できるのは『3年まで』という3年ルールが存在します。

なので、3年を区切りとして考えて行動すると良いでしょう。

吸収力の高い20代で3年も経験を積めば、どんな企業に行っても通用する仕事ができるようになっているでしょう。

また、女性の場合は、派遣社員として働くうちに結婚が決まる人もいます。

そうなれば旦那の扶養に入ってそのまま派遣を続けるのも良いかもしれませんし、専業主婦になるという選択肢も生まれます。

それに、派遣先で頑張って働いていれば「うちの正社員にならない?」と声を掛けられる事もあるので、転職活動をしないまま正社員にステップアップできる可能性もあるので、人生は何が起こるか分かりません。

ですが、そのようなラッキーパンチは無くても、派遣で3年間きちんと経験を積めば、正社員へ転職する際も胸を張れます。

 

派遣で経験値を積んで、正社員へとキャリアアップしていく。

 

これが派遣で働く女性のキャリアの作り方だと私は思います。

正社員として就職できる仕事を探すのも、将来を考えれば大切だとは思いますが、人生は長いので今はもっと自由な視点で物事を考えても良いのではないでしょうか?

過去の私のように、大手有名企業の正社員という肩書きにしがみついて、無理をして精神を病んでしまってからでは手遅れですし、就職活動に疲れてニートになってしまうのはもったいないです。

派遣で働く20代の女性は3年経験を積んでから正社員への道を検討してみてはいかがでしょうか。