派遣会社のマージン率(取り分)公開データを調べてみた

労働者派遣法が改正され、人材派遣会社は様々な情報を開示しなくてはならなくなりました。

「マージン率(派遣会社の取り分)」に関しても、順次、公開が義務付けられた項目の一つです。

マージン率は、私たちが派遣会社を選ぶ時の一つの判断材料にもなります。

そこで、派遣会社が現在公開しているマージン率のデータについて調べたので、詳しく解説させていただきます。

人材派遣会社のマージン率の仕組みと計算式

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マージン率とは「派遣料金から派遣社員への賃金を引いた金額の割合を表すもの」で、以下の計算式で求められます。

マージン率=(派遣料金の平均額-派遣社員の平均賃金)/派遣料金の平均額

派遣会社は登録スタッフを企業に派遣して、派遣先の企業から派遣料金を受け取り、その多くを登録スタッフに還元し、一部が人材派遣会社の取り分となります。

ただ、この取り分の中から派遣会社は社会保険費、福利厚生費、教育研修費等を支払うので、全額が利益になる訳ではありません。

手数料が少なければ、それだけ運営費も少なくなってしまい、最悪のケースでは事業悪化になってしまう可能性もあるので、一概に手数料率が少ないから正義とも限らないのです。

マージン率は人材派遣会社を選ぶ時の判断材料になる

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厚生労働省は、最適な派遣会社を選ぶ一つの方法としてマージン率を調べる事を推奨しています。

現状では、全ての派遣会社にマージン率の公開が義務付けられている訳ではありませんが、派遣会社を選ぶ時にインターネットで口コミを調べるのと同じように、一つのデータとしてマージン率を把握しておくと良いでしょう。

参照元:派遣労働者・労働者の皆様(厚生労働省)

大手人材派遣会社のマージン率・公開データの調査結果

では、実際の大手人材派遣会社のマージン率はどのように設定されているのでしょうか?

2016年9月時点でマージン率を公開している派遣会社をピックアップし、データを調査しました。

大手の人材派遣会社の場合、事業所ごとにマージン率が公表されているので、どの派遣会社にも事業所がある「新宿」を拠点として考え、データを比較しているので参考にしてください。

テンプスタッフのマージン率(新宿オフィス)

テンプスタッフ新宿オフィス

  • 派遣労働者の数(1日平均):3624人
  • 派遣先の実数:4581件
  • 労働者派遣の料金1日(8時間あたり)の平均額:17,356円
  • 派遣労働者の賃金1日(8時間あたり)の平均額:13,009円
  • マージン率:24.6%

(対象期間2014年4月1日~2015年3月31日)

テンプスタッフのホームページで公開されている、60のオフィスを全て調査したところ、マージン率が一番高いのは苫小牧オフィスで29.3%。

反対に一番低いのは丸の内オフィスで22.9%でした。

都内のオフィスはマージン率が23%~24%のところがほとんどでした。

関連記事:en派遣からテンプスタッフ(新宿オフィス)に登録した評判・口コミ

リクルートスタッフィングのマージン率(新宿西口事業所)

リクルートスタッフィング新宿西口事業所

  • 派遣労働者の数(1日平均):5250人
  • 派遣先の実数:2573件
  • 労働者派遣の料金1日(8時間あたり)の平均額:16,301円
  • 派遣労働者の賃金1日(8時間あたり)の平均額:12,087円
  • マージン率:25.9%

(対象期間2015年4月1日~2016年3月31日)

リクルートスタッフィングのホームページで公開されている、30のオフィスを全て調査したところ、マージン率が一番高いのは豊田事業所で58.7%

反対に一番低いのは本社で25.7%でした。

豊田事業所を除く事業所に関しては、全て20%台のマージン率となっていました。

ホームページで公開されている資料から考察するに、この豊田事業所は特別な教育訓練を実施しているようで、他の事業所よりも圧倒的に研修期間が長い事が分かりました。

教育費用に経費がかかっている分、マージン率が高くなっていると考えられます。

関連記事:リクルートスタッフィング(新宿西口)に登録した評判・口コミ

アデコのマージン率(首都圏1)

アデコ首都圏1

  • 派遣労働者の数(1日平均):808人
  • 派遣先の実数:573件
  • 労働者派遣の料金1日(8時間あたり)の平均額:21,611円
  • 派遣労働者の賃金1日(8時間あたり)の平均額:15,124円
  • マージン率:30.0%

(対象期間2014年1月1日~2015年12月31日)

アデコのホームページで公開されている、80のオフィスを全て調査したところ、マージン率が一番高いのは山形事業所で33.5%。

反対に一番低いのは首都圏5事業所で24.5%でした。

残りの事業所も20%台後半のマージン率のところが多く、テンプやリクルートと比べると、若干高い傾向にあります。

スタッフサービスのマージン率(新宿第一オフィス)

スタッフサービス新宿第一オフィス

  • 派遣労働者の数(2016年6月1日現在):846人
  • 派遣先の実数(平成27年度実数):559件
  • 労働者派遣の料金1日(8時間あたり)の平均額:16,736円
  • 派遣労働者の賃金1日(8時間あたり)の平均額:11,882円
  • マージン率:29.0%

(対象期間2015年4月1日~2016年3月31日)

スタッフサービスのホームページで公開されている、90のオフィスを全て調査したところ、マージン率が一番高いのは高槻第一オフィスで39.4%

反対に一番低いのは新宿第一オフィスで29.0%でした。

他のオフィスもほとんどが30%台のマージン率で、テンプ、リクルート、アデコと比較しても、マージン率が高いことが分かります。

この大手派遣会社4社のマージン率を調査すると、東京や大阪などの大都市圏にある営業所は比較的マージン率は低く、地方都市であればある程マージン率は高くなる事が共通していました。

マージン率を公開しているページには、派遣社員に対してどのような教育訓練や研修を行っているかも公開されています。

ですから、マージン率が高くても、派遣社員に対するキャリア支援やスキルアップ研修が行われていれば問題ありません。

ですが、登録スタッフに対しての支援が少ない場合は、バック率重視で派遣会社を選びたいというのが本音です。

参考記事:人材派遣企業マージン率一覧

【注意】マージン率を公開していない派遣会社も

ここまでの大手派遣会社4社は、マージン率がホームページ上で公開されていた為、データを調査することができました。

しかし、大手派遣会社として認識されているランスタッドに関しては、マージン率が公開されていませんでした。

ランスタッドはホームページ上でマージン率に関するコラムまで掲載しているにも関わらず、自社のマージン率は公開していないのです。

こんな状態では「何か公開できない理由があるんじゃないの?」と、勘繰られてしまっても仕方ありませんよね。。

他にもマージン率が公開されていない派遣会社は数多く存在していて、どのくらい搾取されてるのか分からないグレーな部分が多いのも否めないのは事実です。

マージン率の公開が進む事を願って

マージン率(人材派遣会社の取り分)に関しては、冒頭でも述べたように「マージン率=派遣会社の利益」と100%なる訳ではありません。

実際には、手数料の中から教育訓練費等の経費を引いた分が派遣会社の利益・運営費になるので、マージン率が高い人材派遣会社が荒稼ぎをしているとは限りません。

あくまで基準となる一つの数値に過ぎないのです。

しかし、厚生労働省がマージン率を適切な派遣会社を選ぶ時の一つの材料とすることをお勧めしているにも関わらず、大手派遣会社であっても、まだ完全にマージン率が公開されていない現実があります。

派遣業界全体の活性化のためにも、もっと積極的に手数料率が公開されるのを祈るばかりです。

手数料率が低い派遣会社で働いた方がバック率が良いのに違いはありませんからね。