

あなたは人材派遣会社に登録する時に何を重要視していますか?
現在、「優良派遣事業者認定制度」というものが開始されており、派遣会社を選ぶ際の一つの基準として使われ始めています。
優良認定されていると聞くと「ココは登録しても安心安全な派遣会社」と思ってしまいがちですが、優良と名が付くだけで「ココなら安心」「紹介される企業もホワイト求人ばかり」と勝手に思い込んでしまうのは危険です。
ここでは優良派遣事業者認定制度の概要と、優良派遣事業者マークがあれば安心できる派遣会社なのかどうかについて考えました。
目次
優良派遣事業者認定制度の概要は以下の通りです。
優良派遣事業者認定制度ができた背景には「人材派遣業界全体の意識向上を目指す」といった狙いがあります。
実際、
等、悪質な派遣会社も少なくないのが現実です。
制度が設立された主な目的は
こういった点を主な目的として定めています。
また、これまでにこのような制度が一切無かった為、これから派遣登録する人にとっても人材派遣会社を選ぶ上で一つの基準にもなりました。
また、優良派遣事業者に認定された人材派遣会社には、より優秀な人材が集まる事も期待できるので、派遣先企業にとってもメリットがあります。
優良派遣事業者に認定される為には、書類審査に加え、審査員が事業所を訪問してのヒアリングも行われます。
チェック項目は全部で95項目あり、全ての項目において要求水準を満たしていなければなりません。
これらのチェック項目はホームページでも全て公開されており、大きく分けて以下の4つのカテゴリーに分かれています。
更に細かいチェック項目としては、以下の様なものがあります。
⇒連絡網が作成されている場合は、その更新のタイミングや保管場所等を説明する。また、緊急連絡システムを有している場合はその操作方法について説明をする
⇒派遣先への訪問ルールが分かる資料や実際に派遣先を訪問している記録を提示し、そのフォローの方法について説明する
参考URL:優良派遣事業者認定制度 認定基準チェックリスト
優良派遣事業者は公式ホームページで公開されています。
また、各派遣会社のホームページでもアピールされています。
認定事業者は、「優」という文字と三角形がデザインされた優良派遣事業者マークを使用する事が出来るので、一目で判断出来るのも特徴です。
・認定企業一般型
・認定企業縮小型
・制度告知型
優良派遣事業者は、最低限の基準を満たしている事の証明
冒頭でも述べたように、人材派遣業界には悪質な派遣会社も少なからず存在しています。
実際、全国には約9万もの派遣会社が存在するとされていますが、その中でこの優良派遣事業者認定制度の説明会に参加した派遣会社は、わずか数百社のみ。
実際に認定された派遣会社になると、その数は更に少なくなります。
チェックリストにある95項目は、派遣会社として最低限満たしておくべき基準であるにも関わらず、その基準を満たしている派遣会社がこれだけ少ないのが現実なのです。
「優良」派遣事業者とされていますが、実際は派遣会社としての当り前の基準を満たしている事を認められているだけに過ぎません。
ですが、その最低限の基準値もクリアしていない人材派遣会社はごまんとあるのも事実です。
派遣で働く私たちは、優良派遣事業者を最低限の基準に登録していくことが、人材派遣業界のスタンダードになっていくでしょう。
ただ、優良派遣事業者に認定されている人材派遣会社を選べば「自分の希望する条件の良い仕事に就けるのか?」というと、残念ながら必ずしもそうとは限りません。
この制度はあくまでも、一定の水準を上回る人材派遣会社を優良認定する制度なので、派遣会社としては問題なくても、実際に派遣される企業に問題がないことは保障されていないのです。
派遣された企業がブラックではシャレになりませんからね。。
登録する派遣会社はホワイト企業でも、派遣先として紹介される企業はブラック企業ばかりという可能性もあるので、優良認定されている派遣会社であれば絶対に安心できるとは言い切れないのです。
派遣社員は派遣される企業による影響が大きいですからね、ここをしっかりと頭に入れておかなければなりません。
優良派遣事業者認定制度は、その名の通り優良な派遣会社を示してくれる制度ですが、実際には課題もあり、認定されている派遣会社であれば100%安心できるという訳ではないのもお分かり頂けたと思います。
一つの派遣会社にしか登録しないのは危険な判断にもなりかねません。
派遣の場合は、登録している人材派遣会社ではなく、派遣先企業に問題があるケースも多いので、優良派遣事業者認定されていれば100%大丈夫とは言えないのです。
だからこそ複数の人材派遣会社に登録し、紹介される企業を比較して、検討することが大切なのです。