介護派遣のメリットとデメリット※正社員・パート・派遣の比較も

この記事では、介護派遣会社に登録する前に知っておくべき『介護派遣のメリットとデメリット』を現役8年の介護福祉士が詳しく解説しています。

メリットだけ記載しているような記事もちらほら見かけますが、デメリット(悪い部分)についてもしっかり把握しておくべきです。

 

介護士が人材派遣で働くメリット・デメリットや、雇用形態別でどのような違いがあるのでしょうか?

 

良い面、悪い面のどちらも把握することで、『介護の派遣で働くのが今の自分にとってどうなのか?』を判断することができます。

介護職の派遣での就業をご検討中の方は、ぜひご一読ください。

介護派遣で働く6つのメリット|登録する前に必ず読もう

① 派遣なら好きな勤務地、勤務時間、勤務期間、仕事内容を選択できる

派遣の場合は『あなたのライフスタイルに合わせた働き方ができる』というのが1番の魅力です。

特に勤務期間を定めて働けるのは、介護派遣で働く大きな魅力でしょう。

正社員の場合は、会社に雇用されているため縛りが多く、会社の就業規則に合わせた勤務形態で働かなければなりません。

ですが派遣社員であれば、予め雇用期間を3ヶ月など、定めて仕事が始められるので好きな期間だけ働くことが可能です。

独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が出してる「派遣社員のキャリアと働き方に関する調査(派遣社員調査)」では、派遣社員になった理由の1位は「正社員の仕事が見つからなかった」ですが、「好きな勤務地、勤務期間、勤務時間を選べる」が2位に選ばれています。

既婚男性、独身男性、子持ちの主婦、子供が2人以上いる主婦、子育てがひと段落した女性、シングルマザー、独身女性など、すべて生活環境はバラバラですし、必ずしも正規職員として働くのが1番良いとは限りません。

特に子供がいる介護士さんにとっては、派遣というのは魅力的な働き方になります。

近年ニーズの変化から、派遣の働き方は非常に注目度の高いものへと変化していきました。

実際にデータとして『ユーザーアンケート調査(エン派遣)』では、雇用形態別にアンケートを実施し、『ワークライフバランスの満足度』が最も高いのが派遣社員という調査結果が出ています。

つまり、仕事とプライベートのバランスが最も取りやすい雇用形態が派遣社員なのです。

② 未経験可の求人が多く、無資格でも採用されやすい

介護派遣の求人の特徴としては『無資格未経験』の募集が多いことです。

そのため、異業種から介護に転職されるケースもたくさんあります。

例えば、『妊娠・出産を機に前職の仕事を辞めてしまい、再度仕事に復帰したいと思った時は40歳で仕事がない』というのはよくあるケースですよね。

実際、年齢も40歳を超えると応募できる求人は一気に少なくなります。

ですが、介護職であれば未経験であっても派遣なら募集も多いです。

また、派遣会社を通すことで、担当者があなたの能力や経験がないのを考慮した派遣先を上手にマッチングしてくれるので、採用される確率を上げることができます。

新たに介護士にチャレンジしたい未経験の人にとっても、派遣はオススメの働き方になります。

③ 介護派遣の時給はパートのおよそ『1.6倍』にも

介護派遣の時給はパートと比較すると、およそ1.6倍ほど高いです。

派遣社員 パート
平均時給 1,490円 945円

参考データ:平成27年度 労働者派遣事業報告書の集計結果

参考データ:介護労働安定センター 平成28年度 介護労働実態調査

介護派遣とパートはともに『非正規雇用』ですが、両者の時給設定は全く違っていて、介護で働くなら断然『派遣』がオススメです。

高時給の最大のメリットは、『短時間の勤務でも高い収入を得ることができる』ということです。

例えば

介護で働きたい人のニーズ
  • 家事の合間に3時間だけ働きたい
  • 子どもが幼稚園に行っている午前中だけ働きたい
  • 親がデイサービスに行っている日中だけ働きたい

など、働くことのできる時間に限りのある方でも、時給が高いため高い月給を得ることができるのです。

パートの場合は、派遣社員と同じで勤務時間の融通は利きやすいですが、働く時間が短すぎると微々たる給料しか得ることができません。

短時間しか働くことができないけれども稼ぎは欲しいと考えている介護士さんには,

派遣社員としての働き方はピッタリです。

④ 正社員で働く前の『お試し期間』として働ける

正社員になりたいと考えていても、就職前は

こんな不安・悩みありませんか?

『ちゃんとした企業なのか?ブラック介護施設ではないか?』

『職員の人間関係は悪くないか?』

『求人票に記載されてる給与、勤務時間、休日は本当か?』

特に、前職がブラックで嫌な思いをした人にとっては、正社員での再就職や転職は不安な面が大きいでしょう。

正社員として採用されれば、簡単には辞めることができませんからね。

もしも、どんな施設かもちゃんと把握できていないのに、いきなり正社員として働くのはちょっとと不安だと思うなら、派遣社員から始めてみることをオススメします。

人材派遣の場合は、同じ職場での雇用期間は「最大3年」と決まっており、3年経過時には直接雇用の正社員として働くという選択肢も出てきます。

派遣でもちゃんとした人材なら正社員として迎えたいという介護事業所も多いので、直接雇用に切り替えてほしいと派遣元と派遣先にお願いすれば正社員になる道も出てきます。

いきなり正社員として働くのではなく、派遣社員というクッションを一枚挟んでから正社員になるかどうかの選択もできるのは、人材派遣ならではの特徴を活かした『賢い転職方法』といっても過言ではありません。

⑤ いろいろな施設形態を経験できる

『介護施設』とひとくくりに言っても、施設の種類は十数種類に及びます。

主要な介護施設

  • 特別養護老人ホーム
  • デイサービス
  • グループホーム
  • 有料老人ホーム
  • 老人保健施設 など

同じように高齢者が利用している老人ホームには、各施設形態それぞれ特徴があり、その特徴により働き手にも向き・不向きがあるのは事実です。

『介護職の派遣で老人保健施設に就職したけれど、楽しくない』

ですが、これがイコール『介護は楽しくない』となるわけではありません。

老人保健施設は自立支援を目的とする施設なので、その特徴が自分には合っていないだけで、特別養護老人ホームでは楽しく働くことができるといった事例も多くあります。

そこで介護派遣として働いていれば、色々な施設形態を経験し、自分に合った見つけることができるのは大きなメリットです。

⑥ 派遣なら正社員よりも圧倒的に就職しやすい

就職してみたいと考えている施設が『正社員』の求人は出していないけれど『派遣社員の求人を募集している』といった光景を目にしたことはありませんか?

実は、介護の求人は『派遣の募集が占める割合が非常に高い職種』になります。

派遣を含む「非正規雇用」に特化した介護求人サイトや派遣会社も多く、早く仕事に就きたいなら派遣を選んだ方が賢明でしょう。

施設にとっては派遣社員というのは『派遣会社を通じて求人をかけるため、正社員よりも人員を集めやすい』といったメリットがあります。

さらに、派遣社員の場合は長期雇用ではないため施設側が不景気に陥った時、正社員以外を人員削減対象として考えやすいといったメリットもあります。

これらの理由により『派遣社員は正社員よりも就職口が広く、採用されやすい』のです。

介護派遣で働く5つのデメリット・注意点

① 賞与(ボーナス)がないため年収は正社員よりも低い

派遣社員は高時給で、正社員よりも高い月給を得ています。

ですが、『平成27年厚生労働省 賃金構造基本統計調査』によると、正社員の場合は平均年収『約316万円』です。

一方、派遣社員は月に25万円の高収入を得たとしても、ボーナスが出ないので年収は『300万円』に留まります。

月給換算では派遣の方が高いケースも目立ちますが、賞与の有無で年収は正社員に分があります。

賞与がないのは家計的にも痛いですが、何よりも周りの正社員が賞与を貰って喜んでいる光景を見ると疎外感を感じてしまうこともあります。

② 『交通費』は基本的には実費負担になる

派遣社員の場合、交通費は基本的に支給されません。

その一方で、『正社員・パート』に関しては、ほとんどの施設で通勤距離に応じた交通費が支給されています。

自宅から近い距離の施設で働く場合は、交通費実費ということに関してデメリットだと感じることは少ないです。

しかし、自宅から離れた距離の施設で働く場合は、電車の運賃・車のガソリン代など、移動にかかる費用は給料から差し引かなければならないので結構ストレスになります。

ですので、派遣で働く場合は「家から近い距離にある施設」を紹介してもらうことが大切です。

派遣社員は交通費が出ないというイメージが定着していますが、『スタッフサービスメディカル』では、2017年10月より、すべての求人で交通費の支給をスタートしています。

交通費支給の介護派遣会社で働きたいのであれば、スタッフサービスメディカルへの派遣登録をおすすめします。

③ 派遣先が変わるたびに人間関係を構築しなければならない

介護職で人間関係にストレスを感じる方は非常に多く、『介護労働安定センター 平成28年度 介護労働実態調査』によると、仕事を辞めた理由の1位が『職場の人間関係に問題があったため』となっています。

派遣先が変わるたびに人間関係を構築しなければならないのは大きなデメリットでしょう。

人間関係の良し悪しは施設によって全く違い、就職してからでないと分からないので、ブラックな職場にあたってしまったら最悪です。

また、同じ職場で働き続けられる期間は最大3年です。

3年経過時にはどうなるのかと言うと、次の方法のどちらかを選ぶ必要があります。

3年経過時にはどうなるの?

①▶A施設でこのまま正社員になる

②▶A施設は契約終了し、別の施設を新たに探す

働いている施設名が『A施設』と仮定)

『▶A施設でこのまま直接雇用(正社員など)になる』を選択した場合は、そのまま働き続けるだけなので雇用形態の他に変化は生じません。

ですが『▶A施設は契約終了し、別の施設を新たに探す』を選択した場合は、新たな施設でまた一から人間関係を構築しなければならないので、そこが良い職場であっても派遣のままでは続けられない事情があるのです。

④ 雇用が不安定な要素があり『派遣切り』の事例がある

施設が不況に陥った時、一番初めにクビを切られるのは派遣です。

実際に2008年に起きた『リーマンショック』では、多くの派遣社員が職を失い路頭に迷いました。

派遣社員の高時給というメリットが不況時には大きなデメリットに変化するのです。

施設のコストで一番高いのは『人件費』です。

そこを減らすにはまず『非正規雇用者』の人員削減を第一に考えます。

非正規雇用者とは、『派遣社員・パート・アルバイト』です。

この中で一番時給が高い派遣社員ですので、一番初めにクビを切られるのは必然的に維持費の高い派遣社員ということになってしまうのです。

⑤ 仕事の『ブランク期間』が生じる可能性がある

派遣の場合、契約期間が終了して次の職場を紹介してもらおうと思った時に『次の派遣先が見つからない』ケースが生じる場合があります。

『今の派遣先を辞めた次の日から別の派遣先への就職が決まっている』など、段取りがしっかりと取れている転職方法ならば何ら問題はありません。

ですが、

『次の派遣先が決まっていないが、今の派遣先を辞める』

『施設の不況が原因で急に契約を打ち切られた』

という場合にはブランク期間ができてしまいます。

もちろん仕事してない期間に関しては給料ゼロです。

これは長期休暇に関しても同じで、働いてない期間に関しては給料はありません。

ですので、夏季休暇や年末年始に休みが続くと、休んだ分だけ給料が減るので注意が必要です。

雇用形態の違いを比較『正社員、パート・アルバイト、派遣』

正社員 パート
アルバイト
派遣社員
契約期間 期間の定めなし 期間の定めなし △期間の定めあり
勤務時間 ✕会社規定による 選べる 派遣先により選べる
残業 ✕ある ありなし選べる ありなし選べる
ボーナス 支給対象 ✕ほとんどない ✕ほとんどない
退職金 支給対象 ✕ほとんどない ✕ほとんどない
社会保険 ある ✕時間などで異なる ある※条件あり
時給 ✕安い 高い
介護職で働くなら正社員か派遣のどちらかがおすすめです。

パートと派遣を比べると派遣の方が時給が高い分お得ですし、雇用形態で迷っているなら、派遣をおすすめします。

あなたにとって無理のない働き方を選びましょう

とくに小さなお子さんがいる方や、初めて介護の仕事で働こうと思っている方は、無理のない就業形態を選択するべきです。

無理のない働き方という点については、派遣は定められた時間で帰宅することができるので、家庭への支障も出にくく、安定した収入を得ることができるメリットがあります。

異業種からの転職も派遣社員なら採用も多いので、初めて介護の仕事をする方にも最適な就業形態と言えます。

また、介護職の場合は正社員やパートで就業相談をされても、就業先の雇用条件を検討していく上で、派遣社員で働くことを決める方も多いです。