介護職で週休3日制は成り立つ?宮城県が働き方改革の一環としてスタート

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2020年2月、働き方改革の一環としての介護人材確保施策を目的に、宮城県の村井知事が介護事業者に対して介護職の週休3日制を支援すると発表しました。

2020年4月以降、モデルとなる事業者を5社ほど募集することにしています。

モデル事業者に県がコンサルタントを派遣して、人事制度や職場環境の改善などについてアドバイスし、介護職員の採用率&定着率アップを目指します。

宮城県内では既に週休3日のモデル事業所があり、「労働時間を8時間から10時間に増やし週休3日にする」など、様々な工夫がなされていますが、介護職で週休3日制が導入された場合、どのような恩恵があるのでしょうか?

この記事では、

  • 労働時間を増やしながらも週休3日にすることにより介護職員に生まれるメリット・デメリットは?
  • 週休3日にすることにより介護現場にはどのような影響があるのか?
  • 実際に週休3日って可能なのか?

など、宮城県の週休3日制についての疑問を分かりやすく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

宮城県内における介護職の人材不足の状況

高齢化社会が深刻化している日本では、介護職の人材不足が懸念されています。

宮城県でも同様で、宮城県内における介護職の人材不足の状況は深刻です。

令和7年度には『39,635人』の介護職員数が必要と予想される中で、『4,755人』の介護人材不足が見込まれています。

令和2年時点での介護人材不足数は『2,910人』ですので、今よりも約2,000人の介護職が不足する事態に陥るということになるのです。

現状でも介護職は不足しており、介護現場は悲鳴を上げているにも関わらず、さらなる人材不足となる可能性があります。

そこで宮城県は、現状を打破するために週休3日制の施策を発表しました。

宮城県の介護施設が週休3日制を目指す狙い・目的は?

ねらい・目的

  • 世間の介護現場のマイナスイメージを払拭する
  • 介護職員の満足度の向上
  • 介護事故の防止
  • 若年層の介護士確保
  • 離職率の低下や採用の向上

人手不足といわれている介護現場に、わざわざ週休3日制を取り入れるのには上記のような狙いがあります。

介護現場は「キツイ・しんどい・大変」などマイナスイメージがある中で、週休3日という言葉を聞くと、世間のイメージは変わりますし、若年層のニーズをとらえることができます。

現在の介護現場では、多くの施設が夜勤明けの日も休日としてみなしているので、週休2日あったとしても、完全な1日休みが月に4回程度しかありません。

そのため、心身ともに負担が重くストレスを感じます。

ストレスなどが原因となり、集中力が低下し、介護事故につながるリスクも高まります。

しかし、週休3日の取り組みをすることにより、完全な1日休みを月に8回程度確保することができます。

休みを確保することで、ストレス・疲労は軽減され、働きやすくなり、介護職の人材確保につながるのです。

働き方改革を進めることで、人材を確保し、勤務の効率化を実現することができます。

介護職が週休3日制で働くメリットは?

週休3日制のメリット

  • 仕事とプライベートをはっきり区別できる
  • 労働生産性の向上
  • ストレスが最小限になる
  • 仕事へのモチベーションアップ
  • 生産性の向上によりスキルアップを目指せる余裕も出てくる

週休3日制で働くことにより生まれる最大のメリットは、プライベートの充実です。

例えば、休みが3日あれば国内旅行を楽しむことができますし、子育て中の人であれば子どもと過ごす時間が増えるなど、ライフワークバランスが向上します。

土日休みの人でも、平日に休みが増えることにより「役所に行ける」など平日特有のメリットもあります。

さらには、介護の資格取得のための勉強をする時間に充て、スキルアップを目指すことができたり、何よりストレスや疲労を軽減させることができます。

介護の仕事に欠かせない「集中力」の面においても、疲労やストレスは大きく関係しており、疲労やストレスが軽減されることにより集中力が上がり、介護職一人当たりの労働生産性の向上が見込めるなど現場にとってもメリットが大きいです。

デメリットは?

週休3日制にするデメリットは?

  • 一日あたりの労働時間増加
  • 時間内に仕事が終わらない可能性がある

すでに週休3日制を取り入れている企業では、1週間の労働時間を同じにするため8時間のフルタイムを10時間にするということが一般的となっています。

そのため、介護施設でも週休3日制を取り入れた場合、フルタイムの労働時間が今よりも増えることが予想されます。

体力勝負ともいえる介護現場での労働時間増加は、人によっては逆にストレスとなる可能性もあります。

また、休みが増えることにより、出勤日数が減り、他の職員とのコミュニケーションが取りにくくなるなどのデメリットも考えられます。

週休3日にすると給料は下がるのでは?
「給料低下するのでは!?」と考える方もいますが、派遣・パート・アルバイトは、直接給料に影響する心配はないでしょう。

また、正社員の場合は「労働時間分配制」なら、フルタイムの労働時間が8時間から10時間に増えることになるので給料が減る心配はありません。

しかし、「労働時間短縮制」の場合は、休みを1日増やすことになっても労働時間は8時間のままなので、給料が減る可能性が高いです。ここは事前に確認しておきましょう。

完全週休3日制で介護施設の経営は成り立つのか?

結論から言うと、完全週休3日制でも介護施設の経営は成り立ちます。

休みを増やすことの背景にあるのは「人材確保の施策」だからです。

人それぞれの多様なニーズに応えることにより、多くの人材を集め、長く勤めてもらい、安定した職場環境を作り上げ、介護職の人材確保に繋げます。

また、週に3日も休みがあると、「ただでさえ忙しいのに、そんなに休んでもいいの?」「逆に怠けてしまうのでは?」との意見も出てくるかもしれません。

ですが、現に週休3日制を取り入れている大企業も多く存在しますし、上記でも説明した通り、仕事とプライベートのオンオフをしっかり切り替えることができるようになり生き生きと働けるようになります。

労働時間分配制であれば、フルタイムの労働時間が10時間に延長されることにより、1日当たりの職員配置数を減らすことができるので、人手不足を心配する必要もありません。

まとめ

2020年2月に発表された宮城県での「介護職の週休3日を目指す」という施策を自治体が支援するのは、全国初の取り組みとなっています。

心身への負担が大きい介護職にとってはメリットの方が大きく、年々減少していく介護職人材の確保・定着率UPに大きく期待が持てるでしょう。

介護職が、無理せず、生き生きと働くことが、高齢者にとっても生活しやすい環境へとつながり、介護現場に新しい光をもたらしてくれることとなるでしょう。