派遣社員の給料・収入・平均年収はどれくらい?徹底的に調べてみた
これから派遣の仕事を始めてみようと思ってる人や、結婚後に派遣から仕事を復帰しようと考えている人にとっては、毎月のお給料がどのくらいになるかは凄く大切なポイントですね。
派遣社員は時給制なので、給料や年収は想像がつきやすい様にも感じますが、どの位の収入になるかを把握するには、ちゃんとシミュレーションをすることが大切です。
また、派遣社員と正社員でどれくらいの給料の差があるのかも気になるところですね。
この記事では、派遣社員の平均時給をもとに、派遣社員の毎月の給料や年収を算出しています。
また、年収の高い派遣の職種を紹介すると共に、派遣社員が収入アップする為にどうしたら良いのかを考えます。
目次
派遣社員の給料・平均年収はいくら?|試算シミュレーションしてみた
この記事で指標とする計算式
『時給×1日8時間勤務×月22日×12ヶ月』
※この計算式をもとに派遣社員の年収を試算していきます。
『派遣スタッフ募集時平均時給調査(ジョブズリサーチセンター)』の発表によると、三大都市圏(関東、東海、関西)における派遣社員の平均時給は『1,704円』になります。(2021年12月)
三大都市圏の平均時給から派遣社員の平均月収を算出すると、
1,704円×8時間×22日=『299,904円』
毎月の収入は「約30万円」となります。こちらから年収を算出すると、
1,704円×8時間×22日×12ヶ月=『3,598,848円』
このように「約360万円」と試算する事ができます。
これに残業代を加算すると年収はもう少し上昇し、残業がある職場なら年収400万円程度の年収になることが想定されます。
「派遣は非正規雇用だから・・・」「正社員と比べて給料安いし・・・」
と、派遣にあまり良い印象を持っていない人も多いかもしれませんが、毎月の平均的な給料や年収を知れば「派遣社員も悪くないな」と思えるかもしれません。
ただし、これはあくまで総支給額であって、派遣社員も一定条件を満たせば、所得税や社会保険料の支払い義務が生じる(この金額から差し引かれる)ので、手取り額に換算すると、この金額よりも少なくなります。
派遣社員の平均時給は『100円以上』上昇している
このグラフが表すように、三大都市圏における2012年~2017年の6年間の派遣社員の平均時給は上昇傾向にあります。
また、2012年と比較すると「100円以上」時給が上がっている事がこのグラフからも分かります。
派遣などの非正規雇用者が増加傾向にある現代社会においては、今後も益々の時給アップが期待されるでしょう。
派遣社員の時給は年収に直結するので、より高い時給で働けるに越した事はありません。
地域別に見る派遣社員の平均時給・平均月収
(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県) 【関東】
関東エリアにおける派遣社員の平均時給は『1,786円』です。※2021年12月度
この時給から毎月の収入を算出すると『314,336円』になり、正社員並みか、それ以上の収入を得られる事が分かります。
【関西】(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県)
関西エリアにおける派遣社員の平均時給は『1,517円』です。※2021年12月度
この時給から毎月の収入を算出すると『266,992円』になり、関東エリアと比較すると年収は若干少なくなります。
【東海】(愛知県、三重県、岐阜県、静岡県)
東海エリアにおける派遣社員の平均時給は『1,498円』です。※2021年12月度
この時給から毎月の収入を算出すると『263,648円』となり、東海地方は関東に続いて平均時給が高めです。
高年収、高時給の派遣の職種・業種は?
画像引用元:2021年12月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査(株式会社リクルートジョブズ)
リクルートジョブズが発表した派遣社員の職種別の平均時給のデータを見ると、『IT・技術系』職種の時給が高い事が分かります。
特に『SE、プログラマ、ネットワークエンジニア』の時給は、平均で2,000円を超えており、かなりの好条件です。
IT・技術系やWEB関連以外で高時給の職種となると、
- 『治験関連』平均時給2,032円
- 『看護師、准看護師』1,826円
- 『通訳、翻訳』2,035円
というような仕事が時給は高いです。
また、上記データに記載された以外にも、実際の派遣会社の求人を見てみると、「医薬品関連の研究職」や「薬剤師」の募集が3,000円近い時給で働ける求人があるなど、3,000円以上の時給が出るかなり高額な案件もあります。
基本的には、高い専門性とスキルを必要とする専門職が高時給で働く条件だと考えられます。
それほど高収入が望めない派遣の職種・業種は?
反対に、時給額がそれほど高くないのは以下の仕事です。
- 『オフィスワーク系』平均時給1,664円
- 『営業、販売、サービス系』平均時給1,548円
- 『医療介護、教育系』平均時給1,588円
時給1,400円以上もあって「時給が低い」と言うのは少し変な感じがしますが、派遣の全職種の平均値から考えると低いです。
これらの職種ではそれほど高額な収入や年収は期待はできません。
しかし、この平均時給データは、あくまで「三大都市圏の平均時給」に限った話なので、地方に行けば行くほど時給水準は低くなる傾向にあり、時給が1,000円を切ってしまう求人もあるので、このデータはあくまで「大都市での募集について」だということをご認識下さい。
また、上記に紹介した3職種以外にも『工場・倉庫内軽作業系』の募集なども時給水準は比較的低い傾向にあります。
しかし、時給がそれほど高くない仕事は、未経験や無資格でも応募可能な求人が多いなどのメリットもあるので、良い面も沢山あります。
派遣初心者の方や社会人経験が少ない方、またなかなか選考に通らず早く働いて収入を得たいと思っている人にはとてもおすすめです。
スタート時点での時給は低くても、派遣社員として経験を積み、スキルをアップさせていく事でより良い条件の仕事を紹介してもらうことができます。
派遣社員の給与明細(総支給・手取り額)を紹介
こちらはリクルートスタッフィングの登録スタッフの給与明細になります。
仕事内容はWEB制作会社でのプロジェクト進行、ディレクションで、総支給額「274,570円」に対し、手取り額は『229,927円』(その差「約17%減」)となります。
派遣社員と正社員の年収を比較するとどのくらいの差があるのか?
正社員の賃金
正社員の賃金男女計『3,040,000円』(年齢42.3歳、勤続12.1年)
- 男性『3,351,000円』(年齢43.1歳、勤続 13.5年)
- 女性『2,420,000円』(年齢40.7歳、勤続9.4年)
三大都市圏の派遣社員の平均年収は「3,472,128円」です。
つまり、フルタイムで働く派遣の平均年収を正社員と比較してみると、必ずしも派遣だから給料が少ないとは限らないのです。
実際、正社員の手取り額を時給換算してみると「派遣社員とあまり変わらない」という事は珍しくありません。
ただし、これはあくまでフルタイムの派遣で働いた場合のシュミレーションです。
派遣の場合は契約終了のリスクもありますし、交通費に関してもほとんどの求人で出ません。
ですので、交通費や賞与を含んだ金額で比較すると、総合的には正社員の方が支給額は大きくなります。
仮に毎月の手取り額が同じでも、
- 交通費3万円/月
- ボーナス50万円/年2回
があるのとないのでは、年間で136万円の差が出る事になります。
更に派遣社員はどんなに長く働いても退職金が支払われないので、長期で働く事を考えると正社員の方が収入は多くなる事は明らかです。
ただし、近年では正社員でもボーナスなし、退職金規定なしという企業も多いので、正社員になれば必ず報われるとも限らないのが悩ましいところです。
派遣社員が年収をアップさせる3つの方法
① パソコンスキルの向上や英語力を身につける
派遣社員が年収を上げるには大幅な時給アップが必須です。
しかし、大幅な時給アップを臨むには、あなた自身のスキルアップが重要になります。
まずは働きながら仕事のスキルを上げる努力をし、高時給のお仕事が紹介してもらえるようにしましょう。
大手派遣会社では福利厚生制度の一つとして、無料のパソコンスキルアップ講座をインターネットで受講できたり、英会話学校に優待価格で通えたりする制度があります。
パソコンスキルを向上させたり、仕事に関連する資格を取ることで、時給交渉の武器にすることができます。
また、TOEICなどの英語力を身につけることで、語学力を必要とするお仕事の紹介も可能になるので、大幅な時給・年収の上昇に期待が持てます。
派遣会社によっては契約更新のタイミングで時給交渉を行うことができるので、派遣会社の担当者に話をしてみる価値ありです。
しかし、何の成長もしていないのに「時給をあげて欲しい」とだけお願いしても、結果は厳しいです。
交渉材料をしっかり用意してから時給交渉に臨んでください。
② 紹介予定派遣を活用し、派遣から正社員を目指す
派遣で経験を積んだ上で正社員へステップアップをするのも年収アップの方法の一つです。
非正規雇用と正規雇用を比較すると、やはり正規雇用に分があるからです。
紹介予定派遣は一定期間派遣社員として勤務した後、派遣先と派遣社員の双方が合意する事で直接契約(正社員など)を結ぶ事ができる制度です。
紹介予定派遣は、最大で半年間(6か月)の派遣就業が必要ですが、職歴に乏しいかたや、アピールする資格を持っていない方にとっては、正社員になるベストな方法とも言えます。
正社員になれば賞与(ボーナス)も出ますし、交通費もちゃんと出るので、派遣と比べて安定した収入を得ることができるようになります。
あなたがまだ20代で将来的に正社員の仕事がしたいと考えているなら、紹介予定派遣を活用する事をおすすめします。
③ 無期雇用派遣で派遣会社の社員(無期雇用)として安定収入を得る
派遣社員は交通費やボーナスが支給されない事が多く、それが原因で「満足のいく年収を得られていない」と感じている派遣社員も一定数います。
正社員の方が派遣より絶対に年収が高いとは言い切れませんが、そんな不満を抱えている派遣スタッフにおすすめの働き方が無期雇用派遣です。
無期雇用派遣とは、各派遣会社の「社員」として無期限の雇用契約を結び、派遣先で業務を行う、という働き方です。
交通費やボーナスが支給される事に加えて、月給制なので休日が多い月でも安定した収入を得る事ができ、年収アップに繋がります。
派遣法の改正に伴い認知力がぐんぐん上がっている就業形態になります。
派遣で安定的な雇用を目指すなら、無期雇用派遣も視野に入れるべきでしょう。
多様な働き方のニーズを実現するには人材派遣が最適
派遣社員の毎月の給料や平均年収をシミュレーションしてみて、どのような感想をいただきましたか?
おそらく、想像よりも多い印象を受けた人も多いのではないでしょうか?
非正規雇用だから…と敬遠していた人でも、この時給、給料ならそれなりに魅力を感じられる金額でしょう。
非正規と正規雇用を比較すると、非正規労働者は悪で、正規雇用者が正義だと言う人もいます。
ですが、人材派遣であればフレキシブルに働く事ができたり、職場や仕事内容を自由に選ぶ事ができるメリットがあります。
これは正規雇用の正社員では絶対に実現できません。
給料の多さを比較すると、普通に考えれば正社員に分があるのは当たり前です。
だって、責任の重さも違いますし、役割も与えられる仕事内容も違うので、正社員の方が給料が高くなるのは当たり前です。
そもそも土俵も違いますし、仕事や働き方に対するニーズも違うので、賃金のことはそこまで気にする必要はないんじゃないかなというのが個人的な意見になります。
ライフスタイルやお財布事情は各家庭、一人ひとりによって異なるので、最終的にはあなた自身が希望する働き方を選択してください。