派遣社員はなんで底辺って言われるの?人気はあるのに評価が上がらない理由を考える
『派遣社員として働いている自分に自信を持てない』
このページをご覧になっている方は、こんな風に感じている人も少なくないんじゃないでしょうか!?
「派遣で働いている」というと、何となく哀れんだ視線を感じたことがあるなど、日本では人材派遣労働者を『非正規雇用者』と呼ぶなど、『正社員こそ正義』『正社員以外は悪』という考え方が古くから差別的な考えがあります。
今の日本は派遣社員なしでは成り立ちませんし、人材派遣の地位も確立してきたはずです。
派遣の仕事は年々人気が上がっているのに、どうして社会的な評価は上がっていかないのでしょうか?
ここでは、派遣が「底辺」だと言われてしまう原因を考察し、社会的評価を上げる為にどうしたら良いのかを考えます。
目次
派遣社員が底辺だと言われてしまう理由4つ
1 非正規雇用に対する偏見
派遣社員が底辺だとか、派遣は底辺職だと言われてしまう一番の原因は『非正規雇用に対する根深い偏見』があるからです。
例えば日本では、いまだに「終身雇用」とか「年功序列」という考え方が存在します。
良い大学を卒業し、新卒で入社した会社に生涯を捧げ、年齢と共に少しずつ昇格して、定年まで働く事が素晴らしいと考える。
また、若年層ではライフスタイルを重視する考え方も増えつつありますが、全年齢で見れば、給与やボーナス、退職金を沢山貰えるのを重要視する人が多い。
そんな年配の人が多いのです。
また、偏見は派遣社員に対する言い方にも問題があります。
一般的に、人材派遣などの働き方を「非正規雇用」と表現しますが、『”非”正規』と言われる事で、『普通ではない働き方』だというイメージがついてしまっているのです。
正社員が「正規」だなんて誰が決めたのでしょう?
自ら望んで派遣社員として働いている人も多いのに、「非」正規雇用という名称のせいで『派遣は、正社員になれなかった人の仕事=底辺』というイメージを持っている人も多いのです。
2 派遣社員の待遇(給料、福利厚生、保険など)が整っていないと思われている
正社員と比べて、派遣社員の待遇は悪い・劣ると思っている人は非常に多いです。
ですが、実際に人材派遣で働いている人や、派遣の求人を目にした事がある人は『仕事内容や働き方によっては、正社員よりも稼ぐ事が出来る仕事』だという事を知っています。
例えば、派遣社員の中には、時給2000円以上で働く人も少なくありません。
時給換算してみると、正社員よりも稼ぎが良いという人も実際にいるのです。
また、最近は正社員として働いていても、ブラック企業に勤めてしまい、「長時間労働、残業代が出ない、祝日も出勤させられる」という話も聞きます。
しかし、派遣であれば「残業代全額支給」とほとんどの求人に明記されていますが、こういった点はあまり知られていません。
それに、派遣社員は、実際に勤務している派遣先企業と雇用契約を結んでいないので、福利厚生制度を使えないと思っている人も多いです。
しかし、派遣会社に登録している派遣社員であれば、雇用元である派遣会社と雇用契約を結んでいるので、その派遣会社の福利厚生制度を利用することができるのです。
大手人材派遣会社の福利厚生は、「夫の会社よりも内容が充実していた」なんてことも普通に多いです。
それだけ派遣会社の規模は大きくなっていますし、社会的な地位を確立しているのです。
3 【中卒・高卒・無職・ニート】誰でも出来る簡単な仕事だと思われている
派遣の仕事は、学歴や職歴がなくても働ける仕事が多いのは事実です。
倉庫作業、工場勤務、介護職などの『肉体労働』と言われる職種がその例です。
そういった肉体労働の仕事をしている人に対して「底辺」だと考える人は多いですよね。
確かに、中卒者や高卒者は、有名大学卒業の人間と比べると、学歴、職歴、立派な資格も持っていないかもしれません。
ですが、それぞれの現場で経験を積み、スキルを磨いて、活躍している人材は大勢います。
ビシッとスーツを着て、高層オフィスで働く事だけがステータスではありません。
派遣社員に支えられている産業・企業は山ほどあります。
学歴や職歴に関係なく現場で活躍している人が沢山いるのに、残念ながら世間は派遣に対して、「学歴のない人が仕方なくやる仕事」だと思っているのです。
4 責任がなく、気楽な働き方だという偏見
派遣社員は、基本的には1時間いくらという『時給制』で働いています。
そのせいか、「派遣社員には責任がない」「残業をしないで帰れる楽な仕事」というイメージを持っている人が多いです。
派遣社員だからと言って、責任がない訳ではありませんし、繁忙期には残業もあります。
正社員よりも高いスキルを買われ、高い時給で派遣されている人もいるという事を知らない人が多いからこそ生まれている偏見です。
派遣は人気のある働き方なのに評価が上がらないのは何で?
日本国内には、派遣で働き、それぞれの分野でプロフェッショナルとして活躍している人が大勢います。
それにも関わらず、派遣という働き方への評価が上がらないのは、これまで紹介したような誤解や偏見があるからです。
しかし、今は一昔前とは違い、定年まで働くのが良いという時代ではありません。
今は上場企業でも普通に潰れる時代。
そんな時代に正社員として1社に全身全霊を捧げる考え方は果たして正しいのでしょうか?
海外に目を向けてみると、自分のスキルアップとキャリアの為に転職を繰り返したり、様々な働き方をする人がいます。
ヨーロッパでは、月単位で休んで旅行等の趣味を楽しむのが「普通」だと聞いた事のある人もいると思いますが、それぞれ自分のプライベートも大切にしながら働く事が主流です。
しかし、日本はまだ昔からの「正社員」という形に拘る人が多いのが現実で、結果として派遣が特殊な働き方になってしまっています。
人材派遣で働く人の地位・評価を上げるにはどうすればいいのか?
では、派遣社員の評価を上げるにはどうしたら良いのでしょうか。
まずは、派遣で働くあなた自身が、自分の仕事・働き方に自信を持つ事です。
もし、周りの人が派遣に対して偏見を持っていたら、「こんな企業で働いている」「正社員で働いてる時と比べてこんな風に充実している」「月にこれだけの勤務で○○円も稼げる」「こんな福利厚生制度がある」と、派遣に対する誤解を解いてみましょう。
また、自信を持つためには、あなた自身が、どんどん経験を積んで、スキルアップをしていって下さい。
そしてより時給の高い仕事で働けるようになれば、周りの人も「底辺」だなんて思わずに、一目置くようになるかもしれません。
最近は、企業から独立してフリーで働く人が増えてきたり、副業を認める会社が出てきたりと、働き方に関して新しい概念が出てきています。
「ブラック企業」や「鬱」、「過労死」という言葉がニュースを騒がせる日も多いですが、バリバリ働きすぎるのではなく、プライベートを大切にする働き方にも注目が集まるでしょう。
派遣という働き方が見直される日もそう遠くはないかもしれませんね。