派遣社員の平均時給・相場と時給アップの交渉術
派遣はボーナスが出ないので「時間給×働いた時間」が全てです。
なので、数十円でも高い時給で働きたいのが本音ですが、時給を上げてもらいたくても、どのように時給アップの交渉をしたら良いのか?対応に困っている人も多いでしょう。
それに、派遣社員の時給はアルバイトよりも高くても、提示されている時給が妥当なのかどうか?疑問に思うこともあるかと思います。
そこで、派遣社員の平均時給や時給相場についてや、時給交渉に関するポイントを解説します。
ぜひ時給アップの交渉にお役立て下さい。
目次
派遣社員の時給を決定する要素
アルバイト同様、派遣社員の時給に関しても、最低賃金より高く設定されていなければならないルールがあるので、派遣で働く際には、各地域の最低賃金も確認しておく必要があります。
派遣社員に支払われる給与は、雇用元である派遣会社から支払われています。
派遣スタッフの給与は、時間給に対して支払われるケースがほとんどで、業種や職種、派遣社員のスキル、実務経験、地域に応じて時給は変動しますが、地域要素を省けば、基本的には特別なスキルを要する職種が時給が高くなる傾向にあります。
派遣社員の時給相場・平均時給ってどのくらい?
厚生労働省の調査によると、派遣社員全体の平均時給は「約1,500円」
ここ数年は平均時給も右肩上がりで増加傾向にあります。
しかし、一口に派遣社員とひとまとめにしても、人材派遣には数多くの業種があるので、高時給の仕事もあれば、そこまで時給が期待できない職種もあり、相場は業種によって違ってきます。
では、各業種の平均時給はどのくらいあるのかというと、2015年12月での三大都市圏(関東・東海・関西)の職種別平均時給と、その推移をエン・ジャパンのデータをプレジデントオンラインがまとめたデータがあります。
職種 | 平均時給 |
---|---|
SE・プログラマー | 約2,188円 |
看護師・準看護師 | 約1,887円 |
通訳・翻訳 | 約1,886円 |
英文事務 | 約1,668円 |
秘書 | 約1,645円 |
営業・販売 | 約1,638円 |
経理・財務・会計 | 約1,568円 |
総務・人事 | 約1,563円 |
金融事務 | 約1,508円 |
一般事務 | 約1,454円 |
テレフォンオペレーター | 約1,391円 |
窓口・カウンター受付 | 約1,309円 |
医療事務 | 約1,257円 |
このように、圧倒的に高い時給を得ているのは、SEやプログラマー等、ITに強い派遣社員だということが分かります。
特に近年は、今までIT化されてこなかった分野である、SE、プログラマー、ITエンジニア等が高時給の傾向があります。
その他にも看護師や通訳翻訳の様に、資格や専門的な高いスキルを活かして働く業種に関しても高時給です。
一般事務、テレフォンオペレーター、医療事務などは、派遣で働きたい女性から人気が高く、その分が時給に反映されていることが分かります。
派遣の時給交渉の2つのポイント
派遣社員は、ある意味ではフリーランスの様な働き方をしています。
時給アップは派遣会社サイドから話を貰えるケースは少ないので、自分で自分を売り込み、時給アップをお願いしなくてはなりません。
派遣の時給アップの交渉術として、2つのポイントをご紹介します。
- 日頃から派遣会社の研修に参加する等、スキルアップに対する意欲をアピールする
- 仕事のスキルアップはもちろんのこと、人柄も評価対象であることを心得ておく
時給制で働く派遣社員は、同じ時間でいかに良い結果を出せるかが大切です。
業務に関するスキルが向上すれば、その分、良いパフォーマンスが出来るようになります。
派遣会社では、スキルアップの為の無料研修講座を開催しているところもあるので、積極的に活用して、スキルアップに一生懸命取り組んでいることをアピールしましょう。
もちろん、その努力過程だけでなく結果も重要です。
資格試験に合格したり、派遣先企業で良い成績を残すなど、数字で成果を表すことができると、派遣会社の担当者にも具体的に伝わり、時給アップに応じてもらいやすくなります。
ただ、いくら業務に関するスキルが高くても、社内での協調性や協力姿勢が見られない人材は、あまり良い評価を得られません。
派遣社員だから残業はしない、時間外のお付き合いは一切お断り、としてしまうのではなく、派遣先企業の人からも「この人が会社にいて欲しい」と思われるような人を目指しましょう。
派遣先企業からの評価が高ければ、その分時給アップにも有利なのです。
時給の交渉は誰にする?登録してる派遣会社?派遣先の企業?
時給アップの交渉は、雇用元である登録している派遣会社に対して行います。
基本的にはあなたを担当している営業担当者にお願いするといいでしょう。
派遣の場合は、時に同じ派遣会社から派遣されているのにお互いの時給が違うケースが出てきますが、間違っても派遣先の企業の上司にしないように注意してください。
派遣社員の時給交渉に最適なタイミングはいつ?
時給アップの交渉するのはタイミングが肝心!
定期的に行われる人材派遣会社との面談で、話を持ち出してみるのも1つの方法ですが、最適なのは「契約更新のタイミング」です。
契約更新でない時に話しても、「では次の契約更新の時に改めて…」とはぐらかされてしまいかねませんし、契約更新時は、契約内容を見直す時でもあり、お互いにとって区切りとなるタイミングなので、時給の話も切り出しやすいのです。
時給交渉に踏み出す時期はいつから?
時給交渉の時期に関しては、経験者の場合は派遣に登録して派遣先との面談時か、未経験者の場合は1年以上経ってから行うのがおすすめです。
未経験者がいきなり時給交渉しても受け入れられるわけがありませんからね。
経験があまりない人が、まだ仕事に慣れていない段階から時給交渉しても、ハッキリ言って門前払いですし、派遣会社の担当者からもあまり良い印象を持ってもらえなくなります。
ただ、その職種で実績がある人(即戦力となる人材)に関しては、応募する段階で担当者に交渉しましょう。
交通費支給の交渉もできるのか?
基本的に派遣の場合はほとんどの人材派遣会社では交通費は支給されません。
しかし、色々な口コミを見てると、中には「交渉したら交通費を一部支給してもらえるようになった」という成功事例もあります。
交通費の交渉での成功事例を見てみると、交通費という名目で支払われるのでなく、時給50円上げることで対応してくれた派遣会社もあるので、家から遠くて交通費がかさむような場合は、交渉してみる価値は十分にあります。
高時給の派遣の仕事に就くにはどうすればいい?
派遣で働くのなら、少しでも時給の高い仕事に就きたいと思うのは当然ですが、その多くが専門スキルや実務経験を要します。
当たり前ですが、短期間で実務経験を沢山積むことはできません。
ですが、時間はかかりますが、関連する資格を取得しておけば、高時給の派遣の仕事も紹介してもらえるので、気になる職種があるなら、それに必要な資格取得を検討すると良いでしょう。
基本的な傾向としては、IT系の派遣求人が時給が高い傾向にあるので、まずは派遣会社のスキルチェックで行われるWordやexcelなどの基本的なPCスキルを身につけ、更にはMOSを取得しておけば、即戦力の派遣スタッフとして採用してもらえるので、他の登録スタッフよりも有利になります。
また、就業してからも講座や研修に出て、継続的にスキルアップを図ることで、時給アップの交渉をする際のアピール材料にすることもできるようになるので、常に自分の能力を磨くことが大切です。