転職・就職活動中につなぎで派遣をする注意点とおすすめの仕事
就活や転職活動のために仕事を辞めたり休んでしまうと、金銭面などでどうしても不安が伴います。
そんな人におすすめしたいのが、「派遣の仕事を正社員の転職が決まるまで、つなぎで働きながら就活・転活を行う」ことです。
そこでこの記事では、「つなぎ派遣をしながら転職するメリット・デメリット」「正社員の仕事が決まるまでのつなぎに適した派遣の仕事」について紹介します。
目次
派遣で働きながら就活・転職活動ってしてもいい?
「就活・転職活動に力を入れすぎて、現在の派遣先での仕事に疎かになってしまう」のはNGですが、派遣の仕事をしながら転職活動を行うことについては、全く問題ありません。
むしろ、派遣で働きながら次の仕事を探すこと自体は大いにアリです。
そもそもの実態として、派遣社員の求人案件の多くは短期間の案件であり、世間的にも派遣という雇用形態は「長期間働く形態ではない」という認識をされています。
そのため、派遣社員として働く側も、派遣社員を受け入れる企業側も、「つなぎ」で働くことに対して強い抵抗感は持っていない場合が多いのです。
転職活動をしていることを伝えた方がいい?
とくに、転職活動をしていることを派遣先や派遣元に伝える義務はありません。
ですが、「正社員で採用されるまでのつなぎとして働きたい」と考えている場合、その旨を派遣会社に伝えておくと、あなたの転職活動が有利に働くこともあります。
例えば、短期契約の案件や、将来正社員として働ける「紹介予定派遣」の案件を紹介してくれる可能性もあるため、転職や就活を考えている場合は派遣会社にも相談してみましょう。
派遣しながら転職活動するのって難しい?
正社員の仕事が決まるまでのつなぎとして派遣の仕事をおすすめしていますが、実際のところ、フルタイムの派遣で働きながらの就活・転職は楽に行えるものではありません。
とくに週5日フルタイム勤務で働いていると、志望する企業とのスケジュール調整が難しかったり、面接のために仕事を休む・休日を削る必要が出てきます。
さらに、(これは当然のことですが)派遣で働かせてもらってお金を頂いている以上、就活や転職ばかりに時間や体力を割くわけにもいきません。
職場や派遣会社が就活に理解があるといっても、そのせいで現在の業務に支障が出るようでは、どんどん立場が悪くなっていくばかりです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
働きながら転職活動 | ・収入が途絶えない ・精神的なストレスが少ない ・無職/空白期間がない |
・契約期間途中だと退職できない ・臨機応変な活動が難しい ・就活・転職活動の時間確保が難しい |
無職状態で就活 | ・就活・転職活動の時間が確保しやすい ・スキルアップや勉強ができる |
・収入がゼロになる ・プレッシャーが大きい ・履歴書に空白期間ができる |
働きながら転職活動をすることによる一番のメリットは、やはり収入が途絶えないことです。
定期的な収入があることで、転職活動中の精神的なプレッシャーが少なからず軽減されます。
つなぎで派遣社員として働くメリット※正社員としての転職が決まるまで
収入が途絶えない。生計を維持しながら就活できる
収入が途絶えず、生計を無理なく維持できるのは、派遣で働きながら転職を行う大きなメリットです。
生活の基盤を確保したまま次の仕事を探すことができますし、遠方の企業へ訪問する際の交通費を捻出することもできるため、転職先の選択肢を広げることもできます。
さらに、派遣社員の時給はアルバイトやパートとして雇用される場合よりも高く設定されている場合がほとんどです。
派遣なら短期で働けて、時給も高い。
人材派遣という雇用形態は、正社員のつなぎとしては最適な形態だと言えるでしょう。
「転職できなかったらどうしよう」という精神的なストレスが少ない
就活・転職活動を行うにあたって、もっとも辛いのが、「仕事が見つからなかったらどうしよう」というプレッシャーやストレスを感じてしまうことだと思います。
しかし、派遣で働きながら就活・転職を行うことで、「収入がある」「履歴書に空白を作らないので転職にひびかない」ので、ホント気が楽です。
また、「仕事を見つけないとお金がなくなってしまう」「働かないとニートだと思われてしまう」「親が働けとうるさい」といった不安・悩みを軽くすることができます。
また、派遣会社に「将来的に正社員としての勤務を希望している」ことを伝えておけば、紹介予定派遣の案件や正社員雇用を前提とした案件も紹介してくれます。
つなぎ派遣で働きながら、そのまま派遣元で紹介可能な正社員を前提とした案件が紹介してもらって、採用が決まったなんてことも十分あり得るので、ここは十二分に活用したいところですね。
無職期間・空白期間が長いほど転職は不利になる
実際のところ、無職期間や履歴書の空白期間が長くなるほど、次の仕事を探すことは難しくなります。
空白期間が短ければ、「転職・就職活動を行っていた」「資格取得のための勉強を行っていた」といった理由で済みますが、仕事をしていない無職期間が数ヶ月・半年・1年・1年以上と長くなるほど、採用する企業側も「こんな人を採用して大丈夫か?」と、不安材料にしかなりません。
中には、「貯金があるから働かなくても大丈夫」「休みたい、ダラダラしたい」と、安易に無職状態での就活を選んでしまう方も多いと思います。
ですが、万が一のことを考えると、つなぎの仕事を続けておく(仕事の切れ目を少なくする)方が安全策であると言えるでしょう。
つなぎ派遣のデメリットと注意点
契約期間途中の退職は原則できない
つなぎで働くデメリットとして、派遣の場合、契約期間途中の退職ができないことがあげられます。
正社員であれば、仕事を辞める2週間前にその旨を伝えれば退職することができます。
ですが、派遣社員の場合は契約期間が満了するまでは原則として退職できません。
例えば、「4月から就業開始の求人に応募したい」と考えていても、現在の派遣先との契約が5月まで続くようであれば、その求人への応募は厳しくなります。
とくに長期の契約で働いている場合には、自分の契約期間と、求人先での就業開始日をしっかり確認しながら求人を探す必要があります。
週5フルタイム勤務だと就活・転職活動の時間確保が難しくなることも
収入確保を最優先に考え、週5日・フルタイム勤務で働いていると、転職活動のための時間確保がかなり難しくなります。
就活・転職活動中は、面接のために仕事を休んだり、土日や退勤後などの時間を削ったりする必要が出てくるため、時間的にも体力的にもかなり厳しくなることが想定されます。
だからこそ、つなぎとして働く間は、体や時間の負担が少ない仕事にしたり、平日休み・シフト制勤務などのスケジュール調整がしやすい仕事を選ぶのがいいかもしれません。
つまり、「働きすぎも注意」で、なるべく負担の少ない仕事を選ぶことが大切です。
臨機応変な対応が難しい
派遣でつなぎながらの就活は、臨機応変な対応が難しいのが現状です。(とくに週5日のフルタイム勤務)
内定をもらっている会社に
「来月からの勤務だったが、もう少し早く就業できないか?」
「就業開始までに一度会社に来てもらえないか?」
などの提案を企業側から出された場合も、派遣で働きながらだと、その対応を行うのはかなり難しくなります。
また、勤務中に面接先の企業から連絡があってもすぐに対応できなかったり、予期しなかった残業や業務上のトラブルによって面接をキャンセルしなければならなかったりする可能性もないとはいえません。
転職活動や就活に限った話ではありませんが、物事を両立することはそう簡単なことではないことをしっかり認識しておきましょう。
期間を「3か月以内」などと期限を決めて真剣に就活する
派遣で働きながら就活・転活を成功させるコツは、「自分の中で期間を定め、真剣に活動に取り組むこと」です。
派遣社員として働きながら就活をしていると、つい
「このままでも良いんじゃないか?」
「契約満了してから仕事を探せばいいか?」
と現在の環境に甘えてしまいがちです。
しかし、契約期間の定めのある人材派遣という雇用形態である以上、いつまでも同じ職場で勤務できるとは限りません。
また、いつまでもダラダラと同じ派遣先に居続けることによって、年齢や経験の問題から、将来的に別の企業で正社員として就業できる可能性を潰してしまう場合もあります。
「この契約が満了するまでに就活を終わらせる」
「3ヶ月以内に正社員採用されるように転職活動をする」
といった具体的な期限とゴールを設け、真剣に活動するようにしましょう。
つなぎ派遣の仕事の選び方「どんな仕事を選ぶべき?」
つなぎの仕事として派遣を選択する場合、どのような仕事を選べば良いのでしょうか。
つなぎ派遣の仕事選びで重要なのは、あくまで最終的な目標は「正社員として働く」ことです。
だからこそ、「体への負担が少なく、時間や体力をある程度就活に割けるような仕事」を選ぶのが最適であると言えます。
「正社員の仕事が決まるまで」つなぎでする派遣の仕事おすすめ一覧
1ヶ月~3ヶ月程度の次の仕事が見つかるまでの「つなぎ」として、短い契約期間で働けるおすすめの派遣の仕事を紹介します。
短期の派遣求人は、未経験でも採用してくれる派遣先が多いです。
自分の就活スタイルや体力・貯金状況と合わせて、自分に合った職業に積極的に応募してみましょう。
職業(仕事) | おすすめする理由 |
---|---|
データ入力・タイピング | 求人数が多く、短期OKな案件も多い。座って作業をするため、体の負担が少ない |
コールセンター | 時給が高めな案件が多い。体の負担が少ないほか、シフト制での募集も多いため平日休みも取りやすい。 |
イベントスタッフ | 短期間・高時給の仕事がほとんど。ある程度採用の目処が立っている状態での「つなぎ」に最適。 |
フォークリフト | 資格免許が必要ではあるものの、その分高時給の案件が多く、短い時間・期間でも安定した収入を得られる。 |
仕分け・ピッキング | 商品の種類によっては女性でも作業ができる。日払いの案件もあり、短期でも働きやすい。 |
シール貼り | 仕分け・ピッキングよりも体力を使わないため、女性でも働きやすい。シフト制・高時給の案件も。 |
梱包 | 仕分け・ピッキングよりも体力を使わないため、女性でも働きやすい。 |
製造(組立・加工) | ライン作業であれば体力を使わない職場も多く、複雑な業務も少ないため働きやすい。 |
書類仕分け・チェック | スキルを問われず、また体を動かす作業も少ないため、働きやすい。シフト制の案件も有り。 |
フロア受付 | 体を動かす作業が少なく、体の負担が少ない。Excelなどのソフトを使うこともあり、ブランクを埋められる。 |
調理・食材盛り付け | 体を動かす作業が少ないため、身体的な負担が少ない。季節によっては短期・高時給の案件も。 |
接客・販売 | 立ち仕事が中心となるため体力が必要だが、シフト制・平日休みの派遣先が多いため、就活と両立しやすい。 |
働きながら仕事を探すことは、大きな負担が伴います。
少しでも余裕を持った転職・就職活動ができるよう、つなぎの仕事とは言え、自分の適性に合った派遣先を探すようにしましょう。
ですが、働きながら転職活動をするのはやめておいた方がいいのかと言うと、そういうわけでもありません。
派遣で働きながら転職活動をすることには、あなたにとってメリットもたくさんあります。