派遣社員の忌引き休暇は基本的になし。葬儀などのもしもの時の対応は?

身内に不幸が起こってしまい、葬儀や通夜などに参列する場合、必要となるのが忌引休暇(=慶弔休暇)です。

正社員であればほとんどの企業が取れる休暇ですが、はたして派遣社員も正社員と同様に忌引休暇を得ることはできるのでしょうか。

しかし、結論からお伝えすると派遣社員は基本的には忌引休暇の期待はできません。

この記事では、もしもの時に派遣社員がどういう状況に陥るのか、そしてどう対応したら良いのかについて解説していきます。

派遣社員に忌引き休暇は基本的にはありません

最初に述べたように、派遣社員、つまり非正規雇用で働く場合には、基本的に忌引休暇はないものと考えておきましょう。

なぜこのように、派遣社員が忌引休暇を取ることができない状況が起きているのでしょうか?

そもそも、労働基準法においては、年次有給休暇は保障されているものの、特別な「忌引」休暇はその対象ではありません。

参考外部リンク派遣労働者にも忌引の休暇はありますか?

つまり、法律が忌引休暇を設けることを義務付けていないため、福利厚生の一環などとして企業側が制度を設けない限り、派遣社員は忌引休暇を取ることができないのです。

忌引き休暇が使えるかは就業規則を確認

しかし、派遣社員のほとんどが忌引休暇を取れずにいる一方、「忌引休暇を取ることができた」という派遣経験者からの声も散見されます。

法律で義務付けられていないため、忌引休暇を取れない企業がある一方で、福利厚生の充実を謳う派遣会社では、忌引休暇を用意しているところもあるようです。

「自分の派遣元は忌引・慶弔休暇を取ることができるのか?」については、就業規則に目を通したり、担当者の方に尋ねたりして、自分自身でしっかり確認しておく必要があります。

大手派遣会社9社の忌引き・慶弔休暇の有無を調査

派遣会社 忌引き休暇の有無 備考
スタッフサービス なし スタッフサービス慶弔休暇についての記載
パーソルテンプスタッフ 不明(記載自体なし) テンプスタッフの福利厚生
アデコ 不明(記載自体なし) アデコの福利厚生サービス
リクルートスタッフィング 不明(記載自体なし) リクルートスタッフィング福利厚生について
ウィルオブ・ワーク(旧セントメディア) 不明(記載自体なし) なし
パソナ 不明(記載自体なし) パソナ派遣従業員就業規則
マンパワーグループ 不明(記載自体なし) マンパワーグループ福利厚生詳細
綜合キャリアオプション 不明(記載自体なし) なし
ランスタッド 不明(記載自体なし) ランスタッド各種制度について(休暇・休業・免除)

調査方法については、公式サイトの福利厚生・Q&Aのページに掲載があるかどうかでチェックしています。就業規則には記載されている可能性もありますが、あまり期待はできないでしょう。

実際に大手派遣会社の公式ページを調べてみましたが、そもそも忌引き、慶弔休暇についての記載がない派遣会社がほとんどです。

大手の派遣会社でもこの状態なので、地方特化型の派遣会社は言うまでもありませんね。

忌引き休暇がなく、葬式などで休む際に派遣社員が行う対応

派遣先の上司、派遣元の担当者に事情を説明する

では、身内に不幸があり、葬式・葬式や通夜に参列する場合、どのような対応を取れば良いのでしょうか。

まずは、なにはともあれ派遣先の上司&派遣元の担当者に事情を説明しましょう。

連絡方法は、できるだけ迅速に電話や口頭で連絡するのが吉。

出張などで不在の場合には、メールで漏れのないように連絡しておきましょう。

有給休暇を使う←忌引きが使えない場合の最も現実的な代替案

忌引休暇が取れない派遣社員が、葬式などで休まなければならない時の最も現実的な代替案は、有給休暇を使うことです。

有給休暇を使うことで、長い場合は数日に至ってしまう欠勤日分の給料も受け取れます。

ただし、有給休暇を取得する上で気をつけなければならないのが以下の2点です。

  • 有給休暇は就業開始から6ヶ月経過しないと取得できない
  • 派遣先だけではなく、派遣元への連絡も必要となる

労働基準法第三十九条には、以下の記述があります。

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

参考外部リンク労働基準法 電子政府の総合窓口

つまり、就業開始から6ヶ月経過し、なおかつ出勤しなければならない労働日のうち8割以上きちんと出勤していれば、派遣社員でも有給休暇を与えられます。

しかし逆に言うと、例えば「就業開始から1ヶ月ほどしか働いていない状況」では有給休暇は付与されていないので取得することはできません。

有給休暇が使えない場合は、残念ながら通常の欠勤扱いで休むしかなくなります。

ちなみに、有給休暇がちゃんと消化できたかについては、給与明細などで確認できるようになっています。

間違いなく付与されているか確認した上で、いつ必要になっても構わないように数日分の有給休暇はとっておきましょう。

また、派遣社員が有給休暇を取る場合には、派遣先だけではなく、派遣元への連絡も必要となります。

派遣先の上司だけではなく、派遣元の担当者の方にも忘れずに有給を取る旨の連絡をしておきましょう。

葬儀・通夜などで会社を休む時のマナー

身内の不幸で会社を休む場合には、有給休暇の取得の有無に関わらず、上司や他のスタッフへの挨拶は欠かさないようにしましょう。

葬儀や通夜の後は精神的にも肉体的にも疲労が溜まっていることと思います。

しかし、それは休んだスタッフがいない間に対応を行っていた方々も同じです。

感謝の気持ちは忘れずに、かつ丁寧に伝えておきましょう。

非正規雇用という理由だけで待遇に差があるのはいかがなものか!?

Twitterをはじめ、ネット上では正社員雇用のスタッフと非正規雇用のスタッフの間での待遇の差についての言及が多く見られます。

しかし一方で、それに対して「正社員の方が努力しているんだから、待遇いいのは当たり前」「派遣で働く時点でわかってたはずでは?」という厳しい意見も少なからず寄せられています。

 

派遣社員でもフルタイムで働いているスタッフがいたり、あるいは何十時間も残業をしている状況において、派遣社員は本当に「努力不足」「待遇が悪くても仕方ない」人材なのでしょうか?

また、家庭や個人の事情から、「正社員ではなく派遣」という立場を選ばざるを得ない人もいる状況で、「正社員ではない」という理由だけで慶弔休暇が得られない状況は果たして適切なのでしょうか?

 

働き方改革が叫ばれ、被雇用者の環境改善は少しずつですが進んでいます。

しかし、派遣社員やアルバイト・パートとして働く人達の環境は、未だ置いてけぼりのように感じられます。

せめて自分の大切な人・近しい人がいなくなってしまった時、どんな働き方の人達でも何の心配もなく、穏やかにその見送りをできるようになってほしいと願っています。