

2016年に開催されたリオパラリンピックでは、連日多くの障害者の活躍が報じられ、改めて障害者のパワーを世の中にアピールできました。
ですが、パワーみなぎる障害者はごく一部というのが一般的な認識のため、障害を抱えている人の多くは、仕事や働き方について、悩みを抱えている人が沢山いらっしゃるのが現状です。
この記事では『障害者派遣』についての疑問を解決すべく、『Q&Aコンテンツ』を作成し、働きたい人に向けて悩みや疑問に答える形式で解説しています。
派遣会社が行っている障害者雇用の取り組みや、登録をおすすめする派遣会社の紹介もしているので、これまで人材派遣という働き方を検討した事がなかった方も、ぜひ参考にして頂ければ嬉しいです。
※この記事では「障害」に固定させて記載させて頂いておりますm(__)m
目次
A:はい、もちろん可能です。
身体障害者の方や精神障害者の方も、人材派遣会社に登録し、そこの登録スタッフとして働く事ができます。
派遣という働き方は、勤務地や勤務時間なども、自分のライフスタイルに合わせられ、融通を利かせられる事からも沢山の人に人気があります。
例えば、足が不自由な人であれば、なるべく自宅から近い勤務先を希望する事もできますし、体力的・精神的にフルタイムで働く事が困難な人であれば、「週に○日勤務」と雇用契約を結べるのが、人材派遣の特徴でありメリットです。
A:「障害者の派遣雇用は職種が限定的になるんじゃないか?」
との声もありますが、実際は色々な職種に就職することが可能です。
など、事務、オフィスワークの派遣を中心に色々な業種の企業で働くことができます。
一口に障害と言っても種類は様々ですし、得意としてること、人の手助けが必要なことに違いがあります。
派遣会社との雇用契約や派遣先の決定も、そういった点を全て考慮した上で、就業先を決めることができるのです。
A:障害があるから仕事の紹介ができないといった事はありません。
障害を抱えていても、一般の派遣社員と同じよう働いている派遣スタッフは大勢います。
人間性や職種に対するスキルがマッチしていれば、他の人と同じように仕事を紹介してもらう事が可能です。
しかし、いくら高いスキルをもっていても、社内バリアフリーが整備されてなかったりすると、派遣が難しいケースも多々あります。
ただ、これは障害者への差別ではなく配慮なので、あなたが働きやすい環境が整っている企業の求人を紹介してもらうようにしましょう。
A:障害者派遣の求人に応募するには、障害者手帳を保有している事が前提となります。
障害者手帳を申請中であれば、それが分かる資料を用意しましょう。
A:はい。障害がある方も、派遣から正社員などの「直接雇用」を目的とした『紹介予定派遣』制度を利用することが可能です。
紹介予定派遣は障害者雇用においてかなり有効です。
なぜかと言うと、実際に企業で仕事をしてみて、その業務を全うするスキルがあるかどうかだけでなく、身体障害者の場合には社内のバリアフリーの状況もチェックできますし、採用する企業としても人材のミスマッチを防げるので、双方にメリットがあるのです。
事前情報では「社内バリアフリー完備」となっていても、思わぬところに段差があったり、使い勝手が悪かったりと、実際に最大6か月間働いて「ここで続けられそうかどうか?」を判断できるのです。
直接雇用になる6か月間の間に、仕事内容に関するギャップはもちろん、社内環境の整備状況もチェックできるのは、障害のある労働者にとっては大きなプラス材料になります。
A:障害のある方が、派遣での就業を希望する場合、まずは人材派遣会社に派遣登録が必要になります。
おすすめの人材派遣会社としては、企業との取引件数の多い
「テンプスタッフ」「アデコ」「スタッフサービス」「ウィルオブワーク」
などの障害者の方への雇用支援に取り組んでいる大手の人材派遣会社に登録されるのをおすすめします。
大手の人材派遣会社は、障害者派遣に詳しい専門スタッフや、手話が出来るスタッフが在籍しているところもあります。
また、企業の取引件数も多く、紹介できる派遣先の求人を多数取り揃えているので、少ない取引数しかない派遣会社よりも、大手で沢山の企業と繋がっている派遣会社に登録しておいた方が何かと有利です。
A:例えば、身体障害ではなく精神障害の場合、自ら申告しなければ、障害があるとすぐには分かりません。
なので、精神障害がある事を隠したまま、派遣求人に応募することは不可能ではありません。
しかし、派遣先が決まって就業した後に、精神障害があるのが後から発覚すると、企業でも「あいつはおかしい」とバッシングを受けてしまいますし、正しい情報を申告しなかったとして、あまり良い印象を持ってもらえないかもしれません。
ですので、一般の派遣求人に応募する場合は、障害があるならきちんと事前に申告しておくようにしましょう。
そうすることで、障害者雇用以外の求人の中でも、あなたのスキルや障害に対応している仕事を紹介してもらう事ができます。
A:障害を抱えている方の中には定期的な通院が必要な人も多数いらっしゃいます。
フルタイムで働いていなければ、休みの日に通院する事も可能かもしれませんが、通院を理由に欠勤をする場合は、登録している派遣会社と派遣先に事前に相談しておきましょう。
派遣社員にも有給休暇の制度は適用されますが、それでは足りない場合もあります。
派遣先を決める時点で、事前に通院の頻度を伝えておくと、就業後トラブルになる事を防げます。
A:派遣先企業で、障害についてカミングアウトしているかどうかは人それぞれです。
身体的な障害であれば、説明しなくとも外見で判断できますが、精神障害の場合は短時間では分からないケースも珍しくありません。
その場合、障害者手帳を持っているのをカミングアウトしていない派遣社員も多いです。
やはり、周りの目が気になるというのも正直な気持ちでしょう。
一方、何かあった時に助けを必要とする場合は、周りに正直に伝えておく人も多いとのことです。
A:派遣先企業で障害者であるという事が周りに知られて、「差別やいじめを受けたらどうしよう」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか?
ですが、障害者を多く採用している企業への派遣を希望すれば、派遣先企業の人たちも障害のある労働者に慣れていてるので、イジメの被害に遭うリスクは低くなります。
まずは、その旨を派遣会社の担当者に事前に話しておくと良いでしょう。
ですが、万が一、派遣先企業でトラブルが発生した場合には派遣会社にすぐに相談しましょう。
言いにくい相談事でも、大手派遣会社であれば、匿名で相談を受け付けてくれるところもあります。
A:本当です。
従業員を50人以上雇用している企業は、その数の2%にあたる人数の障害者を雇用しなくてはなりません。
これは「障害者雇用促進法」で定められている事で、企業も障害者雇用に積極的な姿勢を示しているので、「障害者雇用の求人は少ないのではないか?」と不安に感じる必要はありません。
法律で定められているという事は、国がバックアップしてくれているという意味でもあるので、まずは派遣会社に登録して問い合わせてみてはいかがでしょうか。
大手人材派遣会社では、障害をお持ちの方の雇用促進や、より働きやすい就業環境を提供するため、専門機関や専門の別会社を設置し、障害者の雇用促進に取り組んでいます。
別会社まで準備されているのは大手派遣会社ならではの強みです。
各社の取り組み
ウィルオブ・ワーク
障がい者手当を導入する派遣会社です。
通常よりも100円高い時給で働けるので、一カ月を通せば給料の差は歴然です。
パーソルテンプスタッフ『パーソルサンクス株式会社(旧サンクステンプ株式会社)』
面接、応募書類の書き方、ビジネスマナー、コミュニケーションなど、障害者のための就労支援セミナー・講座を開催しています。
また、肢体不自由、知的障がい者、聴覚障がい、視覚障がいなどの方を対象とした「パソコンスクール」があるなど、パーソル独自の取り組みがあります。
就業に関しては、各自が持つ能力やスキルにあったお仕事を紹介し、その人が活躍できる場を提案してくれます。
また、必要に応じて必要機材の導入や、勤務条件の緩和の交渉を行ってくれるので心強いです。
アデコ『アデコビジネスサポート株式会社』
アデコビジネスサポート株式会社は、2017年7月に「株式会社VSNビジネスサポート」と「アデコソレイユ株式会社」が合併して設立されたアデコ100%出資の『障害者の雇用を創出する会社』になります。
アデコビジネスサポート株式会社の特徴としては、精神障がいをお持ちの方が、民間企業と比較すると4倍近く多いのが特徴です。
東京都と大阪府に拠点を構えているので、該当する地域にお住いの方は登録を検討してください。
リクルートスタッフィング『アビリティスタッフィング』
障害のある方でも安心して働ける職場を提供してくれる企業を、事前に人事担当者と話し合い、確認したものだけ厳選して紹介してくれます。
アビリティスタッフィングの担当者が面談を行ってくれて、今の症状や不安なところをうかがったうえで、採用してもらえるよう面接対策を実施。
就業後も安心して働けるように、精神保健福祉士などが会社までうかがって、あなたが気持ちよく働けるようにサポートしてくれます。
スタッフサービス『株式会社スタッフサービス・ビジネスサポート』
就労の場が少ない障害のある方の雇用の発展を目的とした、スタッフサービスの特例子会社で、2000年から運営されている実績のある企業です。
職場環境整備の一環として健康管理ルームを設置し、保健師や精神保健福祉士などが在中するなど、様々な取り組みを行っています。