日々紹介と日雇い派遣の違いを比較。メリット・デメリットについても解説

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この記事は、日々紹介とはどのような働き方なのか?その仕組みやメリット・デメリットなどについて説明していきます。

「日々紹介って日雇い派遣のことだよね?」と勘違いしている人も多いと思います。

ですが、日々紹介と日雇い派遣はまったく違う仕組みの働き方になります。

日々紹介は、法改正により日雇派遣が原則禁止になって以降、その代替として期待されている就業の形のひとつです。

まずは、「日々紹介とは?」という基本的なところを押さえつつ、日雇い派遣とどこか違うのかをチェックしていきましょう。

日々紹介のしくみ(システム)

日々紹介のニーズ
1日単位で都合の良い日だけアルバイトしたい

日々紹介とは、1日単位や30日以内の雇用期間を定めた人材紹介(職業紹介)の略称です。

「派遣会社が求人申し込みのあった取引先企業に、前日に求職申し込みのあった人材を紹介する」ので、労働者と派遣会社の間には直接の雇用関係は発生しません。

重要 icon-long-arrow-right 雇用関係と給与支払いは、紹介先企業と求職者間で行なわれます。

派遣会社は、人材を紹介した手数料を紹介先企業から受け取ることにより利益を得ています。

しかし、労働者派遣法改正法が2012年10月1日より施行され、日雇派遣(30日以内の労働者派遣)が一部の例外を除き原則禁止となりました。

このため、従来の日雇派遣に代わる新しい雇用形態として「日々紹介」という人材紹介斡旋事業に転換する派遣会社が増えています。

日々紹介って合法?違法ではない?

「日々紹介なんてあまり聞かないし、なんか怪しい!」

と思う方もいるかもしれませんが、日々紹介は法的に何ら問題のない働き方なので安心してくださいね。

日々紹介のメリットとデメリット

日々紹介で働くメリット
  • 労働派遣法改正により対応できなくなった単発・1日のみにも対応できる
  • 単発なので「職業体験」的な感覚で働くことができる
  • 派遣会社に「求職申込」をするだけで希望条件に合った仕事を探して紹介してもらえる
  • 求職申し込みは働きたい日の前日で良いので空いている時間に効率よく働ける
  • 就業先企業にもよるが、働いたその日のうちに給与を受け取ることが可能である

日々紹介は、求職者にとって空いた時間を有効利用できる都合の良い働き方です。

採用側にとっても、急に人手が必要になったときに対応してもらえるので、一定数のニーズがあります。

日々紹介のデメリットは?
  • 1日しか働かないつもりだったのに、結局継続的に働く羽目になる
  • 工場や倉庫内での軽作業、商品の梱包、データ入力や受付など働ける業種が限られる
  • 日々紹介という形態を取り続けている限り、社会保険への加入はできない
  • 単発なので次の日からも続けて紹介してもらえる確約がない
  • 収入が不安定
  • 就業先企業によるが、その日のうちに給与が受け取れない可能性がある
  • 派遣会社が雇用責任を負わないので、まともなフォローが期待できない
  • 表向きは日々紹介を行なっている派遣会社でも、実際にはほとんど仕事が無い

日々紹介は日によって求人数にムラがあるため、安定した収入を得ることが難しいのが実情です。

企業側にとっても、雇用関係の雑多な事務手続きが増えてしまうので面倒でもあります。

また、人気がある働き方かというとそうでもなく、日々紹介の認知度が低いように、人気も低いです。

以上のように、メリットとデメリットを比較すると、どうしてもデメリットが目立ちます。

【比較】日々紹介と日雇い派遣はどんな違いがある?

日々紹介 日雇派遣
共通点 ・仕事を紹介してくれる会社に登録する
・登録した会社からお仕事の紹介を受ける
・紹介された派遣先企業で働く
契約形態 紹介 派遣
雇用主 紹介先の企業 派遣元の会社
給与の支払い 紹介先の企業 派遣元の会社
源泉徴収票の発行 紹介先の企業 紹介先の企業
法的には? 禁止されていない 原則禁止

前提として、2012年労働者派遣法改正により30日以内の労働契約による派遣は原則禁止となっています。

日々紹介は「1日だけの日雇い仕事」であって、「日雇い派遣」とは全く違います。

日々紹介と日雇い派遣は労働者側からすれば単発の仕事になるので、同じように思えるかもしれません。

ですが、日雇い派遣とは仕組みが異なるので、違いをしっかり把握しておくべきです。

日雇い派遣は例外を除き原則禁止となっていますが、日々紹介は禁止されていません。

日々紹介は、1日だけの日雇いの仕事になりますが、「日雇い派遣」とは全く異なります。

日雇い派遣の雇用主や給与の支払いは、派遣会社(派遣元の会社)になります。

ですが、日々紹介の雇用主や給与の支払いは、取引先企業(紹介先の企業)となります。

紹介先の企業と労働者が直接雇用関係を結ぶので、派遣会社は人材を取引先企業に紹介しただけ、ということになります。

日々紹介は、政府としても日々の労働力の迅速な確保のために有用な手段だと考えています。

日々紹介の抱える課題・問題点

働く側(労働者)からすれば、日々紹介と日雇い派遣は、どちらも同じ単発の仕事。

ですが、派遣会社や企業側からみれば、面倒な労務上の手続きが増えるわりには儲からないので、実際には日々紹介に手を出したがらない会社も多いです。

わたしの登録していた大手派遣会社も、表向きは日々派遣をやっていましたが、何度か前日に求職申込をしてみたものの、実際に仕事を紹介してもらえた試しは一度もありませんでした。

つまり、紹介できる仕事自体が少なく、派遣会社が力を入れていない証拠ですね。

スキルを磨けるような仕事はほとんどありませんし、しっかりとしたキャリアも築けないので、本当におすすめできる働き方とは言えません。

また、紹介を受けて当日現場に行ってから「予定していたより仕事量が減ってしまったので帰って下さい」と言われるような事例も発生しており、トラブルもあるようです。

外部リンク: 日々紹介にかかるトラブル防止のための取扱い要請書

日々紹介におすすめの派遣会社一覧

日々紹介におすすめの派遣会社を一覧形式でまとめてあります。

とくにフルキャストは全国展開している派遣会社で、登録拠点もお住いの近くにあることが多いのでおすすめです。

派遣会社 特徴
フルキャスト(キャストポータル) 日々紹介を得意としており、求人数も多い
ワーカーズプロ 1日単位、シフト制、固定制の人材紹介を提案する人材総合サービス
ヒト・コミュニケーションズ 販売・接客、営業職、観光などを提案する人材総合サービス
ワンアンドオンリーキャスティング 日々紹介、日々雇用を専門的に扱う人材紹介会社
ヒューマントラスト 日々紹介に手を出す大手が少ない中、健闘している。
SBSスタッフ 1997年創業の比較的若い人材派遣会社で、最短1日からの短期に強い
バイトレ 2010年創業の若い人材派遣会社。就業希望日がカレンダーから選択できる
パーソナルエフシェンシー 千葉に拠点を置く人材派遣会社。千葉・埼玉の求人が多い
ヒューマンリソース 富山県内専門の人材総合サービス