焦らない!派遣切りの事例から考える対処の方法【体験談も紹介】
あなたは「派遣切り」という言葉を耳にしたことはありますか?
「派遣社員は雇用が不安定だ」
「非正規雇用には問題がある」
というのは、度々耳にする話題だと思いますが、派遣で働いていると、ある日突然仕事を失うことになる「派遣切り」にあう可能性も0ではありません。
これは人ごとではありません。
様々な派遣切りの事例をご紹介し、万が一派遣切りにあってしまった時の対処法についてもお話します。
目次
派遣切りとは?
派遣切りとは、派遣社員が勤務している企業が、雇用元である人材派遣会社との契約を何らかの理由で打ち切ることた、雇用元である人材派遣会社からの解雇・契約更新拒否を受け、そこで働いていた派遣社員が急に職場を失うことを意味します。
派遣切りという言葉が、一般的に認知されるようになったのは2009年頃から。
2008年に起こった金融危機”リーマンショック”の影響により、製造業を中心に国内企業の業績悪化が顕著に見受けられるようになり、派遣労働者の解雇、雇い止めが次々と発生し、大きな社会問題となりました。
基本的に派遣社員というのは、有期雇用である場合が多く、直接雇用の社員よりも解雇しやすいのが特徴で、社内の人員調整で一番最初に見直される人材で、一度に大量解雇されやすい存在であることが問題視されていました。
【実録!】派遣切りの体験談を紹介
派遣切りは突然起こりうるもの。
実際に過去に派遣切りにあった人の体験談をWEB上で募集した記事をご紹介させていただきます。
何で派遣切りが起こるのか?原因を追究
では、なぜ派遣切りが起こってしまうのでしょうか?
派遣をクビになる原因はいくつかありますが、最も多いのが
- 業績悪化に伴う人件費削減
- 会社や部署の合併や統合
派遣社員は直接雇用の正社員と比較すると、解雇条件のハードルが低い。
特に、工場勤務などの製造業の派遣労働者は派遣切りにあいやすいと言われています。
この理由としては、製造業は景気の影響を最も受けやすい業種で、景気が良い時には生産を増やす為に次々と労働者を雇用しますが、景気が悪くなってくると、まず派遣社員がクビを切られることになります。
また、体験談にもあったように、部署の統合や会社の合併が原因で派遣切りにあうケースも珍しくありません。
会社の都合で職を失うのは、あまりに理不尽ですが、これも受け止めなければならない現実です。
派遣社員を受け入れている企業からすると、初めから「近い将来、合併して存在しなくなる部署だから、正社員を配属するのではなく、派遣社員を雇用しておこう」と考えていた可能性も否定できません。
また、女性の派遣労働者がぶつかる最大の壁は「妊娠・出産」「結婚」というライフワークの変化です。
企業は妊娠や出産を理由に従業員を解雇することはできません。
従って、表立って妊娠や出産を理由に派遣切りを行うことはありませんが、体験談の事例にもあったように、何か他の理由をつけて契約更新をしないケースも多いのです。
派遣会社から仕事を紹介された時には、産休・育休を取得できるという話だったのに、その期間に入る前に契約を打ち切られてしまうこともあるのです。
また、その他に派遣切りの原因として挙げられるのは
- 遅刻や欠席が多い
- ミスが多く、改善が見られない
- 仕事に必要なスキルが不足している
- 上司の指示に従わなかったり、職場での強調性がない
など、派遣社員に非がある理由もあるのも事実です。
ですが、これらの理由で解雇されるのは、妊娠や出産などを原因としない為の、表面上の理由に過ぎない場合もあるので、完全に原因を追究するのは困難なのです。
派遣がクビにならない為の2つの対策
では、派遣社員が、その職場で長く働く為にはどんな対策を行えばいいのでしょうか?
ミスなく仕事をこなす、スキルアップして出来る仕事を増やす、正社員の上司と仲良くなる、など色々な方法が思いつきますが、基本的には
- 日頃から派遣先企業での”強調性”を大事にする
- 依頼された業務を断らない等、なるべく融通を利かせる
この2点を重視しておくと良いでしょう。
何でこの2点が重要なのか分かりますか?
例えば
「派遣先企業の事業規模縮小に伴い、何人かいる派遣社員のうち一部の契約を打ち切ることにした」という場合
仕事の能力の高さや同僚とのコミュニケーションが上手く取れているかどうか?
残業を頑なに断らないか?融通のきく働き方をこれからもしてくれそうかどうか?
が派遣社員の雇用を継続する判断材料になるケースがあるからです。
何で企業が派遣を雇っているのか?その真意を考えて日々行動するようにしましょう。
焦らない!派遣切りにあった場合の対処のポイント
遅くとも、大体は1か月前には契約打ち切りや契約更新しない旨が派遣社員に通告されます。
つまり、言い換えると、実際に職を失うまでには、最低でも1カ月の猶予期間があるのです。
万が一、契約更新しない、クビ切りにあった場合は
- 登録している人材派遣会社から次の派遣先を紹介してもらう
- 新たに派遣会社に登録して仕事を探す
- ハローワークや求人誌を利用し、自力で他の仕事を探す
など、仕事の空白期間が無くなるように、仕事をしながら次の派遣先を探す必要があります。
ですから、まずは雇用元である人材派遣会社の担当者に相談するのが大切です。
体験談の事例にもあったように、早めに行動して相談しておけば、間を空けずに次の仕事に就くことも難しくはありません。
また、理不尽な契約打ち切りであれば、派遣会社の担当者も親身になって相談に乗ってくれますし、あなたが希望する次の職場探しにも協力してくれます。
また、クビになったのを機に、自分の働き方を見直して、正社員や契約社員などの直接雇用での雇用形態での就職を検討するのも選択肢の一つです。
失業保険はクビを切られた派遣社員の救世主になる?
派遣切りにあってしまった時には、失業保険の手続きも欠かせません。
2007年の雇用保険法改正により、雇用保険の加入条件が見直され、派遣社員も正社員と同様になりました。
雇用保険の加入期間が「6カ月」を超えていれば、派遣切りに伴う失業給付を受けられるのです。
失業保険の受給時に、重要になるのが「離職理由」で
- 自己都合退職
- 会社都合退職
「このどちらに当てはまるか?」が重要になります。
派遣の場合は、クビ切りにあうと「会社都合退職」になると思いがちですが、契約終了後、派遣会社が次の仕事を紹介しているにも関わらず、正当な理由なく、それを了承しなかった場合は「自己都合退職」と見なされます。
離職理由が「会社都合退職」の場合は、すぐに失業給付を受けながら次の仕事を探すことが出来ますが、「自己都合退職」の場合は、離職後、3カ月の待機期間を終えた後にしか失業手当を受けることができません。
登録型派遣で働く派遣スタッフにとって、クビを切られるのは死活問題なので、万が一の時にはこの失業給付も受けつつ、次の仕事を探せることを頭の片隅にでも記憶しておいてください。
大手人材派遣会社に複数登録しておけば万が一も安心♪
人材派遣というのは、上記で紹介しているように、雇用に不安定な一面があるのも否めません。
ですが、正社員では働けない理由があるから派遣を選択しているなど、人材派遣を自ら選んで働いている方が多いので、雇用形態を否定する以上にメリットも多数あることを忘れてはいけません。
ですから、「派遣は切られる可能性があるから正社員の方が良い」というのは、ある意味間違った考え方で、有期雇用というのを最初から理解して、契約終了となった場合に慌てないで対処できるようにしておけば何も問題は無いのです。
ですが、取引数の少ない人材派遣会社に登録していても、求人数が少なければ次の派遣先がすぐに見つかるかは分かりませんが、取引件数の多い大手人材派遣会社であれば、たとえ、その職場では契約打ち切りになったとしても、すぐに希望条件に近い派遣先を見つける事ができます。
ポイントは
- 大手人材派遣会社を選択する(絶対数(求人数)を増やす)
- 3社~5社くらいの複数の人材派遣会社に登録(リスクヘッジ)
この2点を重視しておけば、万が一の状態になっても、ブランク期間なく仕事ができるようになります。
正社員でもアルバイトでも、会社の経営が苦しくなれば職を失う可能性があるのは誰もが同じ。
人材派遣という雇用形態は、得意な仕事を選んで、勤務地や勤務時間も自分で選択できますし、直接雇用のパートよりも高い時給で働いてお金を稼げるのは派遣社員の特権でもあります。
デメリットだけにフォーカスすると「派遣はやめとけ」となりがちですが、派遣にメリットが多数あるのも忘れてはいけません。